灯台守


灯台は、航海者の為に何時でも海を照らしてい た。
灯台守は、きっとこの光を見る者はいないだろうと、今夜こそ灯火を消そうと思ったが、光が消えて困る誰かがいるかも知れないと思うと光を消す事を躊躇いながら朝を迎えていた。
毎日、今日こそはと思いながら明日を迎えてい た。
ある日、友人がいつもと違う格好で訪ねて来た。
背中に重そうな荷物を背負って、地図を握って彼は海に出ると言った。
この灯台がある限り、どこまでも行けるしどこからでも帰ってこられる。
そして小さな舟に乗って振り返らずに海に出た。
灯台守はもう迷わなかった。
たった一人の為に灯台は今日も海を照らし続け る。





2013/02/16 comment ( 0 )







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