未来の彼がやってきた! 読書でもと思ったロビンが後方甲板に上がるとそこにはルフィが大の字で寝ていた。
「ルフィ。何をしているの?」
「サンジが肉食わしてくれねぇんだ」
けれど釣りもせず騒がず寝ているという事はそれ程切羽詰まった空腹では無いのだろうか。思案して寝ているルフィを見るとはだけていた胸元に大きな傷跡が見えた。
「チーズじゃだめだー」
いいけどだめなんだーとルフィは目を閉じたまま唸る。
こつこつ、と額をつつかれ、目を開けたルフィの眼に簡単にだがラッピングされた袋が写る。
ルフィの頭から生えていた腕が袋を手放すとそれはルフィの顔の上に落ちた。
ルフィは中身の甘い匂いに気付いたらしく、ひすひすと犬のように袋から漏れる香りを嗅ぐ。
「さっきコックさんに貰ったの」
「くれるのか?ロビン」
「ええ」
「ほんとか?ありがとうロビン!なんていいやつだ!」
袋を逆さにして、中身を確認もせずにザラーッと流し食うルフィに知らず笑みを浮かべながらロビンはデッキチェアに横になる。
ルフィはそのまま床に寝てしまっていたが、持って来た本を読んでいたロビンも釣られたのか暫くすると微睡んでいたらしく、目が覚めた時にはルフィの姿は傍になかった。
先程の傷跡の事を忘れていたとロビンは夕食時にルフィに尋ねたが、傷なんかないぞと服を捲って腹を見せたルフィはマナーを知れクソ野郎とサンジに蹴られていた。