彼女が幼女に若返り?

物憂げにため息を吐くロビンの顔をナミは小首を傾げて覗き込む。

「キツイの?ロビン」
「少しね」

こめかみの少し上を指で押さえながらロビンは苦笑を返した。
ナミは揺らさないように注意を払いながらソファから立ち上がるとベッドを指しながら言う。

「この前チョッパーに貰った鎮痛剤、余ってるから飲んでもいいわよ」
「ありがとう。貰うかも知れないわ」

お大事に、とナミは扉を極力静かに閉めて女部屋を後にした。

ロビンは暫くソファから動かずに目を閉じていたが、頭痛は収まる気配が無かった。
ため息を一つ大きく吐いて、ロビンは身を起こす。

「これね」

ベッドの側に錠剤を見つけて水で流し込んで、そのままベッドで微睡んでいると遠くから料理人の呼び声が耳に届いた。
窓から入る光は赤く染まっていて、どうやら長い時間寝てしまったようだと体を起こすと頭痛がなくなっていた。
皆と合流しようとドアに手を掛けて取っ手の位置に疑問を持ったが勢いで開けてしまう。

「ロビーン!飯だー!」

部屋の外に出た所で体が小さくなってしまった事に気付いたが、ゆっくり考える暇もなく、ルフィに捕まりダイニングまで手を繋いでひとっ飛びで連れて行かれた。

「ロビンちゃん!?」
「どっどうしてだ!? おれ何もしてないぞっ」
「私びっくりして目玉飛び出すかと思いました!目玉無いんですけど!ヨホホホ!」

ダイニングに入った途端に気付いた面々は驚いた声を上げるが、ルフィは聞いていないのか、ロビンを隣に座らせていただきますと言うと同時に目の前の範囲の皿を空にした。
自分に刺さる視線にルフィは顔を上げて首を傾げる。

「なんだ?」
「…オメェ気付かネェのかよ?」

ロビンを指して言うフランキーにルフィは隣を見て、あっ、と声を上げた。

「ロビンどうしたんだそれ!?」
「遅ェよ!」
「おれの皿になかった!! サンジ!おれにもくれ!」
「飯の話じゃ無ェだろ!」

ウソップのツッコミは空振り、改めてサンジはルフィの頭を蹴りながらも言われた通りに新しいおかずを皿に盛って持って来る。

「ねぇロビン…もしかして…」
「貴女のベッド脇にあった薬を貰ったのだけれど…間違えたみたいね」

ナミが言葉を濁すとロビンは肩を竦め、チョッパーはパンを咀嚼しながら言う。

「ナミ…まだ持ってたのか?」
「だってあんな珍しい薬、捨てるの勿体ないじゃない?」
「売る気だったのか…」
「え?…そっそうよ!別に飲ませてみようとか思ってたわけじゃないわよ!?」
「……誰にだ」

聞き捨てならんとゾロがナミに詰め寄る。その頃になってルフィのああロビン小っせぇ!という声が上がっていた。
全員がダイニングに揃ってそれぞれがわいわいと騒ぎ、目の前には温かい料理があり、ロビンは小さくなった自分の手を見つめて、顔を上げた。

「デレシ!」
「なんだロビン!?」

すぐ隣りにいたルフィが驚いて言う。ロビンは笑顔で答えた。

「笑っているの」
「笑ってんのかそれ!? 変な笑い方だな!」
「そうなの。変なの。デレシシシ!」
「変だな!にししし」


向かい合って歯を見せて笑い合う二人に、仲間たちは何か変な遊び始めたぞと思ったがやっと戻ってきた学者の笑顔を邪魔する気は誰にもなかった。



2013/03/10 ( 0 )







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