2.放課後の教室で
想い人の席に勝手に座ってみたところ
本人に目撃された


「あーあ、ホントに課題くれなくてもいいのに…あれ?旦那知らない?」
「信玄センセーんとこ行ったけど?」
「えー。じゃあすぐには帰ってこないなー」

傷心の佐助が問うと慶次が帰り支度をしながら答えたので、よっこいしょとか言いながら佐助は空いていた席に座った。

「佐助!てめ何で教室にいねェんだよ!」

ちょっと寝ようかなと机の上にあった鞄を枕に引き寄せると政宗が喚きながら教室に入ってきた。

「放課後なんだから帰るに決まってんだろ」
「課題付き合うって言っただろうが」
「あ、そっか。提出明日でいいって言われたから家でやるつもりで」
「そんな急に言われても部屋の片付けとかできてないし」
「誰があんたの家でやるって言った」

わざとだとわかっていても腹が立つものだなと、あたふたと色めき立つ政宗を眺めて思う佐助の傍らに立って政宗は大きくため息を吐いた。

「man-to-manで見てやるのに」
「顔を?」
「顔だけじゃ不満だと?」
「いいや。見るな。」

指で顎を取られて上を向かされた佐助がその手を思い切り抓ってやると微妙に痛かったらしく政宗はふるふると手を振っていた。

「っつーか帰るんじゃねェのか」
「旦那と一緒に帰ろうと思って待ってる」
「なんだそれsuper言われたい!」
「心の声がだだ漏れですが」
「って事はそこ幸村の席かよ!立て!」

政宗は、真顔で何叫んでんだと軽く引いていた佐助の腕を掴んで力任せに立ち上がらせた。

「やめろよー何だよー」
「そこで待ちくたびれて眠ったりなんかしたら、始まっちまうだろうが!」
「いっそ終わるんじゃねぇ?」
「ああそうかオレが幸村の席に座るからオレの膝に佐助が座れば」
「クソ聞いてねぇし」

佐助を立たせた席に代わりに座って腕を広げて待つ政宗を無視して佐助は机に腰を下ろした。

「…何ひとの事見下してんだテメェ」
「あんたが立たせたんだろうが」
「佐助!何をしている!」
「旦那?おかえ、え?ちょっ待、ッで!」

目を爛として現れた幸村は教室に入った瞬間にそう叫ぶと、勢い机を弾き飛ばしながら佐助の側まで走ってきて頭突いてから、改めて叫んだ。

「机に座っちゃいけません!」
「…………、…はい…。」

まさか出オチ、と佐助はぶつけた額を腫らしながら力無く机の上に臥し、政宗は散らかした机と椅子を誰が片付けるんだろうと椅子に座ったまま考えていた。

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放課後の教室で想い人のに勝手に座ってみたところ本人に目撃された




2013/03/09 comment ( 0 )







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