流れ星地上に降りた星は、空に帰れずひとりぼっちで泣いていました。
どんな大きな木の枝に乗っても、空には到底届きませんし、雲が空を覆ってしまうと空の星たちが見えなくなって、星は余計に悲しくなって毎晩泣いていました。
ある晩、泣き声を聞きつけた旅人が星の元に訪れて言いました。
ランプが切れて困ってたんだ。枝で光ってるだけなら一緒に行かないか。
星はなんて失礼な人間だろうと思いましたが、誰かと語り合ったのは久し振りだったので、ついその誘いに同意しました。
狭いランプの中は決して快適とは言えませんでしたが、どんな荒野も、砂漠にも負けず、とても遠い所から聞こえる泣き声だけの為に訪れた旅人に星は何もいいませんでした。
消えない灯火があるから大丈夫だ。
誇らしげに旅人は星を掲げ、嵐の海に舟を出しました。