プロローグ



約束してくれ。
あんただけは絶対に俺を裏切らないと――。


+ + + 


『結局、他人は他人でしかないんだよ』

そう言って、あんたは俺を壊した。

『…悲しいね。創ることはとても難しいのに、壊すことはとても容易い。』

だったら、何故…。

――ダカラソンナモノ、信ジナケレバヨカッタンダヨ。

信じる…何を。

――約束ナンテ、破ルタメノモノ。

…約束…あぁ、そんなものもあったっけ。
信じた俺も馬鹿だよな。

――守ラレル約束ナンテ、存在シナイ。


この世には破られるべき約束と、守られるべき約束がある。

あいつは、そう言った。

――デモ、裏切ラレタンダロウ?

裏切り…そうか、俺は裏切られたのか。
…くだらない。

――馬鹿ダネ。『信ジル』ト、オ前ガソウ言ッタンジャナイカ。

信じる…確かに、俺が馬鹿だったな。
俺が今まで信じてきたことは全部全部全部全部全部!
…嘘だったんだよ…。


――悲シイ?悔シイ?アイツガ…憎イ?ナラサ、アイツニ罰ヲ与エテオヤリヨ。

罰…。

――アイツノ全テヲ、オ前ガ壊シテオヤリ。ソウシナイト、オ前ハイツマデモ裏切ラレ続ケルンダヨ。

…。
なら、俺が壊して…狂わせてやろう。

後悔なんて、させてやらない。

そんなことを考える時間も、お前にはやらない。


そう、これは罰だ。




約束なんて、もう信じない。


――サァ…裁キノ時間ダ。














――私ヲ楽シマセテクレ。




 
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