塩ビ消しゴムの代表、モノ消しゴムの可塑剤が変更されて塩ビのまま環境対応していました。
→お知らせ 消しゴム『モノ』について | 株式会社トンボ鉛筆1969年11月/2018年春発売、ベトナム製、往時は日本製。店頭購入。



紙巻き(スリーブ)に「フタル酸エステル不使用」とあるのが現行品、新旧ともに塩ビ。
消しゴム生地の透明度にわずかに差があるような気もしますが、紙巻きを外したら私には新旧を判別できません。


†紙はコクヨキャンパス
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
左から1)
ぺんてるAin C282 0.2HB2)
パイロット ネオックスG 0.9/2B3)
三菱ナノダイヤえんぴつ2B4)
三菱ユニUL-S 0.9HB◆消字力:良好
消しかす:新が多少まとまる
消耗:新旧同程度
消し心地:新旧判別できず
折れにくさ:おそらく新旧同じで、力をかけると折れる、ただし実際に折ったことはない
反復消字試験では新旧とも同程度でした。
見た目だけでなく、その性能でも判別できず、フタル酸不使用でもなんの遜色もなく消せます。
いや旧より少々良く感じられるほどでしたが、たぶん新品だからでしょう。
可塑剤変更に気づいたのは、マニアと業界人のほか環境活動家くらいじゃないかと思うほど、差がありません。
可塑剤滲出については試しておらず、不明です。
旧品は夏になると可塑剤が滲み出して、周囲のプラスティック製品を溶かすことがありました。
フタル酸は無味無臭のはずですが、滲み出してきたフタル酸は臭うため、添加後には変質すると思われます。
本品を上回る製品が登場した後も普及しており、いまなお良品です。

フタル酸不使用新型はセリースパック入りを買いました。従来のPPフィルム包装でも売られています。
2024年、値上げされて、百円サイズと呼び習わしてきたPE-04Aは2025年現在120円/132円になっています。
可塑剤はプラスティックを軟らかくする添加剤です。
従来塩ビにはフタル酸エステル類が添加されていましたが、1990年代に可塑剤の一種ノニルフェノールに環境ホルモン(内分泌攪乱)効果が発見され、REACH規制、RoHS2指令など西欧で可塑剤規制が進められてきました。
日本では自主規制が前世紀末に始まり、今世紀に入って規制が本格化、食品衛生法等で乳幼児向け製品や食品包装において規制されました。
塩ビ工業界はその環境ホルモン効果や毒性を否定し続けていますが、(
→フタル酸エステルの安全性情報|安全性|塩ビ工業・環境協会(VEC))消しゴム企業は欧米輸出に対応して可塑剤を変えたと見られます。
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紹介時にはフタル酸使用だった以下製品も現在はフタル酸不使用に更新されました。
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