シャーペンの太芯が細芯を兼ねないように、消しゴムも大が小を兼ねるわけではありません。
今回取り上げるのは、軟らかくて厚い消しゴムと、硬くて薄い消しゴムを組み合わせ、そのカドが丸まってしまっても、細部を消せるよう工夫された製品。
塩ビ、2016年10月発売、日本製。
のちに細い
ロジカル消しゴムスティックM002も発売されました。


白がやわらかく、黒がかたい。
二層化された消しゴムは蟻溝(扇ほぞ)で連結され、スライドも分離も可能。後発のスティック002とは溝の寸法が異なるため交換不可。
紙巻き(スリーヴ)後部にある切り欠きから黒消しゴムを押し出せます。
紙巻きはゆるくもきつくもなく、消しゴムを出し入れできます。

†紙はコクヨキャンパス
画像の1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
左から1)
ぺんてるAinシュタイン0.3HB2)
パイロット ネオックスG 0.9HB3)
三菱ナノダイヤえんぴつB4)
三菱ナノダイヤ0.9HB白◇消字力:優良
消しかす:まとまる
消耗:早い
消し心地:やわらかい
折れにくさ:割れやすい
◯白は3B鉛筆でもよく消せるけれど、ひび割れしやすい。とくに蟻溝が割れて崩れやすい。

それでもよく消せるから、消しゴムが多少割れても気にしなければ、きっとうまく使いこなせるでしょう。
しかし溝を割らずに使い続けられる正しい使い方があるに違いない。

白と同じ方法で試しました。
黒◆消字力:良
消しかす:まあまあまとまる
消耗:遅い
消し心地:かたい
折れにくさ:割れにくい、割れることもあります
●黒は細部を消せるよう薄く、硬くされており、消し心地は
SEEDレーダーポイントに似ています。
消字力はナノダイヤえんぴつ等濃い芯を繰り返し消すには向かないけれど、細芯シャーペンたとえば前回の
オレンズ.2mmや.3mmシャーペンに適します。
繰出し式ではない消しゴムとしては、
コクヨ ミリケシに次いで薄い3mm厚、最大でも4.9mm厚。
さらに薄い
メタフィス ガム2.5mm厚もありますが、あれには金属製覆いがあって繰出し式に近く、ここでは並べませんでした。

数字は厚さ(実寸)
上
コクヨミリケシ下左から
トンボ モノスマート
SEEDレーダーライン
ぺんてるAinサラ
本品

右利きにカドを使いやすくするためか製造上の都合か、紙巻き後端にある切り欠きは左右非対称。

前後を逆転させたり上下を反転させたりして、画像の状態が使い分けやすいと感じました。
分離して使うことを試しませんでしたが、いろいろ試して使いやすい状態を探してみたらいいんじゃないでしょうか。
白黒で減り具合が違うため、使っているうちに両方の長さが揃わなくなり、だいたい黒が長く残ってたわみやすくなりますが、あんまり気にしなくていいです。
勝負どころはカドが丸まってしまっても使いやすいかどうか、なんですけど、本品は二種の消しゴムで大ざっぱに、ちまちまと、双方の消し方ができてたいへん使い勝手が良い。
けれど、溝が割れる欠点は印象悪く、細かいことを気にしない性格か、消費を美徳とする価値観を要します。
しかしそんな人間が細部を消せる消しゴムを必要とするだろうか、否、しない。

面を消すにはカドがなくてもいい、むしろ
Koh-I-Noor 6240のように丸いほうがいい、と思っている私は、細部を消すために薄い消しゴムを併用しています。
そんなふうに消しゴム二種を使い分けている身にとって、ロジカル消しゴムは好適なはずなのですが、あいにく貧乏性なので、割れやすいのはちょっと……しかし発展しようとする姿勢を評価します。
日本の消しゴムには業界団体「日本字消工業会」印が付されていたのですが、近年少なくなってしまって、どこが製造してるのかわからなくなりました。本品にもありません。
日本は欧州で避けられているフタル酸エステル類使用を認めているから、欧州市場で避けられる印にでもなっているかわかりませんが、消しゴム製造設備を持たない企業が売り出す消しゴムの安全基準を一応保証する(といっても工業会基準はJIS準拠であり、日本製なら工業会会員企業でなくてもだいたい基準に適合しているはず)印でもあったから、積極的に付けて消費者にその存在を示したらよいと思います。