ゼブラの新ブランド、アルベスの第一弾、ピールトの0.5mmシャーペン。ほかに油性ボールペン、蛍光マーカーがあります。中国製、2011年3月発売。
軸色が白と黒の2色、同年11月に黄緑、橙、空色が限定発売されました。
見てくれはいいけれども品質がよろしくない製品。
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ずいぶん細く見えますが、長いためにそう見えるだけでそんなに細くはありません。
円錐を底面で接合したペン軸に見やすい芯先、そして秀逸なかたちのペン軸後端とノックボタン。本シリーズのなかでは最も均整がとれています。
筆記具は概ね「棒」で、その一方を尖らせればそれらしい形状になりますが、後ろ側をどのように、とくにノック式シャーペンのノックボタンとペン軸後端の組み合わせをどう処理するか、は外観デザイナーの命題に思います。
直交断面にしたり丸めてみたりとさまざま処理があり、高級筆記具ではノックボタンがペン軸全体の輪郭を損ねることを避けて、ボタンを内蔵しツイストノック化したものもあるくらいです。
本品は後端面を斜めに切断して、内部を露出させたようなかたちをしており、ノックボタンがペン軸から不自然に飛び出した印象を与えず、この露出した部品を押しても軸後端に指があたることもありません。
クリップが無く学生向けと考えられますが、若年層はペン軸を短く持って強く握りこむ傾向にあり、この先細り軸は学生にはあんまり好まれないだろうなあ、とは思います。
力を抜いて書ける人向けでしょうね。
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面取りされた三ヶ所が転がり止め。公式には軸径10.7mmですが最大径11.2mmでした。
カラーフライトや
テクト2ウェイのクリップを流用可能。
分解はこれ以上できませんでしたが、ペン軸を前後に外すと軋みが発生したりするので分解を勧めません。
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消しゴムなし。オプションでボタン型消しゴムがあってもよいと思います。
中身は百円シャーペンということもあり値段相応。剛性感といったものはなく、金属製口金もちょっと精度が甘く、芯がちょっとぶれます。信頼性はカラーフライトやテクト2ウェイに及ぶべくもありません。
付属芯2本、実寸φ0.6mmほどで太めの0.5mm芯。書き味がよくないので他に替えるのがよいでしょう。
芯補充するとき、芯室(中軸)と外軸のすきまに芯が入らないように注意。
また芯繰出量が約1.36mm/ノックもあって書きづらく芯折れを誘う。残芯16-17mm。
同社カラーフライトと同じく、軽く取り回しやすく、ゴムグリップつき太軸が苦手な人にオススメ。
なんですが、初期生産品には、チャック狭持力が弱く芯を他社製に換えると筆記中に芯がひっこんでしまう不良品が混じっていることに気をつけねばなりません。
本品の場合、価格百円は長所になっていない。
不良品はノックの感触が軽く約250g、良品は約700gで他社製芯でも全く問題なく、付属芯の書き味も悪くない。
限定色軸からは改善されたらしく、ちゃんと書けるようになり付属芯も同社純正品になったようです。
今年2012年のアルベスはイギリスデザインのイーオー、ピールトはフィンランドデザインでした。