3-11
「――様? 凛様。もうすぐお昼になります。起きてくださいませ」
侍女ティティーの呼びかけに、凛はぱちりと目を覚ました。
どうやらいつの間にか寝てしまっていたらしい。
むくりとベッドから身を起こすと、凛が起きたのを確認してティティーは飲み物を運んできた。
申し訳なさそうに眉根を寄せる。
「お疲れのところすみません。本日は取り急ぎ凛様に用がございまして」
凛はカップを受け取ると、甘い香りのする暖かいそれを口元へ運んでから言った。
「私に? 何ですか?」
不思議そうに首を傾げると、ティティーは面白そうに笑って言った。
「すぐにおわかりになりますわ。もう、皆の準備は出来ていますの」
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