3-1 闇夜に集う者たち
――夢を見ていた。
人が次々と死んでいく、あの日の夜の夢だった。
街中を焼き尽す炎と、無数の化け物。
狂気に囚われた吸血鬼(ヴァンパイア)、エマリエル卿が少年を串刺しにして、その血を啜(すす)るおぞましい光景。
一緒に過ごした少年のあどけない笑顔。そして最後の言葉――。
約束したんだ。きっと幸せな世界を作るって。
ゆっくりと覚醒する意識の中で、凛は自分の頬が濡れていることに気がついた。
もっと知りたい。吸血鬼のことを。この、世界のことを――。
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