4-10
翌朝、昨日の夜とは打って変わって、街は賑わいをとり戻していた。
大通りには露店が立ち並び、人々が行き交う。
そんな中に凛とロコはいた。
「次はどこに行くの?」
「んー、じゃあお姉ちゃんに街を案内してあげるよ」
食料を一通り買い終わってから尋ねる。
この街、いや世界のことをあまり知らない凛は、ロコの後をついて回っていたのだった。
改めて街を見渡すと、大通りに連なる建物はみな白い石造りで、ロコの家のある一帯とは大違いだ。
レヴァンタイユ城は桁違いに華美だが、このあたりの家々もかなり豪華である。
驚いたのは食べ物で、現代日本にあるような物はほとんどなかった。
真っ青な果物や、ソロロという星形の可愛らしい食べ物もあった。
「ここは学校だよ。近くの街からもたくさん人が来てるんだ」
「へえー、この世界にも学校があるんだ。綺麗な建物ね」
ロコが一際大きな建物を指差した。
凛は口をあんぐりと開けて建物を見上げる。
「え? この世界にもって?」
「ううん、なんでもないの」
円形の大きな柱に支えられたら白亜のそれは、さながら教会のようだった。
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