6-1
決意のその後に… 日は昇る。
まるで何事もなかったかのように、
相も変わらず同じ色の太陽が昇る。
明日も明後日も、
同じように時は流れ、
けれどどうしようもない変化がやって来たら?
――あれから三日が経った。
エマリエル卿の叛乱で街は全壊、街の人間の約七割は死亡。
それは約四百人に相当する大きな被害だった。
生き残った者達は各々他の街へ移住していった。
あの後一端城へと戻っていた凛達だったが、危険だから戻ってはいけないとヴァーグ卿に止められ、やっと城から出ることを許された凛は、皆と共に再びエマリエルドールへと足を運んだのだった。
肌寒い早朝の風に吹かれてやって来たのは、街の中央で元々家々が並んでいたはずの大通り。
燃え残りの木材が散らばり、石壁の家々は墨色で原形をとどめていない。
そこは今や巨大な墓地になっていた。
何の飾り気もない、ただの土の山がいくつも点在し、辺り一面を埋め尽くしている。
凛達はその中で一番隅にある山の前に立った。
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