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◇ ◇ ◇

 青年が出て行った後、凛はしぶしぶ渡された服に着替えていた。
 ワンピースのようになっているが、現代日本ではあまり見かけないようなデザインで、麻布の質素な服である。

「なんなのよあいつ、ガキで悪かったわね。目ちゃんとついてんの? 胸くらいちゃんとあるわよ! 顔がよければ何言ってもいいってわけ?」

 もう一度会いたいなんて思った自分が馬鹿だった。
 あんな失礼なこと言う奴だったなんて、顔に騙された。
 しかも胸まで見られてしまった。
 まだ誰にも見られたことないのに。
 誰かと付き合ったこともない、キスもまだな純潔はいきなり崩れ去ってしまった。

 そこまで考えて、なんだか悲しくなってきた。

「それにしてもここはどこなの」

 田舎にでも連れてこられたのか、ベッドとテーブルが置いてあるだけの粗末な家。
 木造らしく腐食した壁が黒ずんでおり、ベッドも木製でゴツゴツと寝心地が悪そうだ。

 コンコン、と扉をノックする音が聞こえた。
 あの最低男だろうか。

「入ってもいいかい?」

 予想外に聞こえたのは老人の声だった。
 先ほどあの男が話していた老人だろう。

「どうぞ」

 扉を開くと、質素で変わった服装の老人が入ってきた。
 白髪で恰幅の良い、優しそうな顔立ちの老人である。

「気分はどうかね?」

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テーマ「人外ファンタジー」
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