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 瞬間、

「「凛!」」

「みんな!」

 エマリエル卿の前に立ちふさがった声の主に、凛は瞳を輝かせて叫んだ。
 それはアッシュにルジェ、グレイズだったのである。
 嬉しさのあまり涙が滲む。
 みんなの顔を見れば、不思議と不安が和らいでいった。

「この良い匂いは、やはり凛さんの血でしたか」

「馬鹿女無事か? ヴァンピル共は大体片付けたぞ」

「お前がエマリエル・レヴラーか。顔が随分違うな。ナイト! お前は少し下がっていろ!」

 アッシュは卿を見上げて言った後、ゆっくりと立ち上がったナイトに叫んだ。
 ナイトは「すまない」とだけ言って地面に座り込んだ。

「血を寄こせええ!」

 もはや理性の欠片もなく吸血衝動の塊となった卿が、唾の代わりに血を吐きながら憎憎しげに叫ぶと、ロゼリオン達は戦いを始めたのだった。

◇ ◇ ◇


「ナイト! ナイト大丈夫?」

 戦いの始まりを見届けた凛は、座りこんだままのナイトへと駆け寄った。

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