6-6
「こっちへ来い」
ナイトは数ある中から一番端にある棺を見つけた。
その棺には見事な文様が描かれている。
ナイトは閂を外して蓋を開け、中を覗きこむ。
「な、何?」
「これは――!」
それは空っぽだった。
「何も、ない?」
凛はごくりと唾を飲み込んで呟いた。
「やはりな。アストレーヌ女王は、生きている――」
ナイトの声は、いつまでも凛の耳に残って離れなかった。
-------第一部 [完]
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