6-4

◇ ◇ ◇

 その日の正午過ぎ、凛とナイトは城の不気味な地下室へと来ていた。
 自室でティティーに髪を梳いてもらっていると、ナイトがやってきたのだった。

 黒色の薔薇が咲き誇る中庭にでると、その中央まで歩く。
 足元に、繊細な細工の施された丸い模様が目に入った。
 マンホールより一回り大きい円形をしている。

 ナイトはそこに膝を付き、細工の一部を触った。

「きゃあ!」

 驚いて飛びのくと、円形の細工がゆっくり回転し、あっという間に地下に通じる階段が現れた。
 凛はナイトに連れられて、わけもわからず地下へと降りていく。
 しばらくすると明かりはほんの僅かになっていき、凛は不本意ながらナイトにしがみついた。

「ねえナイト。ここってどこなの? 黙ってないで教えてよ!」

 ここまで来ても何も教えてくれないナイトに、叫んだ。
 洞窟の中にいるみたいに声が反響する。
 ナイトはこれ見よがしにため息をついた後、話し出した。

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