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「何!?」

 ナイトが怪訝そうに眉根を寄せると、アッシュは金の瞳に強い光を宿らせて答えた。

「本当なんだ! 今し方見張りの大蝙蝠から連絡が来た。しかし何故そんなにも多くのヴァンピルが集まったんだかわからない」

「ねえちょっと待ってよ。それって――街の皆はどうなっちゃうの? ねえ!」

 拳を強く握り締めるアッシュに詰め寄ると、彼の服を強く掴んで凛は尋ねた。

「それは……」

 アッシュは何も答えない。

「これほど城に近い街だと、さすがに厄介だな。我が城に何らかの影響がないとは考えられん」

 ナイトはちっと舌打ちをした。

「しかしいくらエマリエルドールとはいえ、前女王亡き今、我等自ら人間に関わるようなことはできないだろう」

「そうだったな」

「よりによってこんな時に、エマリエル・レヴラー卿が不在とはな。前女王以外にはあの街を治める彼(ロード)だけがヴァンピルを殲滅できる権限を持っているというのに。
いつ旅から帰ってくるかわからないのではどうしようもないさ」


「それは無理ですね。彼が黒幕なのですから」

 優しい声が聞こえ振り向くと、三人の後方にグレイズとルジェが立って居た。

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