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「いえ、そんな。教えていただいてどうもありがとうございます。もう一つ聞いてもいいですか?」
「結構ですわよ。何かしら?」
「こっちの男の人達は誰なんですか?」
女王ではない、十数人の男性の肖像画は、何のために飾られているのだろうと、疑問に思っていたことを尋ねてみる。
皆同じ、柄に青い宝石のついた剣を持っている。
どこかで見たことがあると思うのは気のせいだろうか。
「ああこちらは銀の騎士(エリュシオン)といって、ロゼリオンとは別の女王直属の部下達ですの。
強い力と権限を持っていて、中には土地を与えられ領主(ロード)と呼ばれる者もいますわ」
「そんな人もいるんですね。えっとこの人は?」
中でも一際目を惹く黒髪の美青年だ。
「この方はエマリエル・レブラー卿。素敵な方でしょう?」
ぽっと頬を薔薇色に染めて言うイライザを横目に、
「この人がエマリエル卿なんだ」
凛はぽつりと呟いたのだった。
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