5-5

「うるさい、女。お前には関係ないだろ」

「むっ、あるに決まってるでしょ! いい年して馬鹿じゃない?」

 冷ややかに見下ろす瞳に負けまいと、精一杯食らいつく。

「まあまあルジェ、そこまでにしなさい」

 思わぬ反撃にあって一瞬たじろいた隙をつき、グレイズがルジェをなだめる。

「「ふんっ!」」

 二人同時に鼻息荒くそっぽをむいた。
 まだまだ言ってやりたいことはあるが、今は我慢することにした。

「ところで凜さん、街であったことを話してくれませんか? 私達にはさっぱりわからないんです。あの部屋にはナイトの血の匂いが充満していた。しかし彼は怪我などしてはいなかった。教えてください、一体あの街で何があったんです?」

 凜は上手く説明するにはどこから話せばいいか迷ったが、グレイズがあまりにも真剣な瞳で話すので、全てを包み隠さず話すことを決めたのだった。

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