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◇ ◇ ◇
凜がちょうど湯浴みを終えてベッドに腰掛け、ティティーに髪をとかしてもらっていると、アッシュとルジェ、グレイズの三人がやってきた。
髪をとかすのくらい自分でやると言ったのだが、ティティーがこれだけはというので渋々お願いすることにしたのだ。
ティティーは嬉々としてかれこれ五分は手入れしている。
嬉しいやら迷惑やらで、凜は複雑に苦笑した。
「凜さん」
「よ、凜ちゃん! 邪魔するよ」
「アッシュ、グレイズさん、どうしたんですか?」
グレイズの隣でチッ、と舌打ちしているルジェは無視して微笑む。
三人は、金縁の豪華なソファーに腰掛けて話し始めた。
「いや、街でのことを聞かせてもらおうと思ってね」
アッシュが足を組んで話を切り出すと、ルジェが目を細めてこちらを、否ティティーを睨んだ。
「わからないのか? 早く出て行け」
「も、申し訳ありません! すぐに」
ロゼリオン達に熱のこもった視線をやっていたティティーは、とたんに顔を青ざめさせて足早に退出していく。
「ちょっとあんた、なんでそんな言い方するのよ!」
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