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「ううん、違うの信じて。私は」

 ロコの言葉に、今まで彼と生活していた日々を思い出す。
 本当の弟ができたようで、今まで体験したことのない楽しい日々だった。
 そろりと歩み寄ろうとすると、ロコは身を強張らせ、目にいっぱいの涙を浮かべて叫んだ。

「うるさい出て行け! お前らヴァンパイアなど信じた僕が馬鹿だったんだ!」

「違うのロコ、お願い話を聞いて!」

「出て行け! この、この薄汚い化け物が!」


「ロコ……」


 呆然と立ちすくむ凛の脳裏に『化け物』という文字が鳴り響いて止まなかった。



†エマリエルドール[完]

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