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「よし、できた。早く行かなきゃ! あれ? 外へ出られないよ?」

 それもそのはず、ルジェがいるのは扉の前ではなく壁に頭部から衝突しており、それでも前へ進もうと足を動かしているのである。

「…………」

 そう、ルジェは寝ぼけているのだ。

 よく観察すれば、もはや瞳の焦点は宙を彷徨い、脈絡のない言葉をブツブツと呟いているではないか。
 ナイトは顔面を石像のように硬直させてしばらく呆然とした後、額に手を当てて深いため息をついた。


 ルジェが壁に寄りかかりながら花瓶の花をむしゃむしゃと食べ始めると、突然扉が開きアッシュがやって来た。

「おーいナイト!」

「アッシュか」

「そういえば言い忘れてたけど、ルジェは夢遊病の“ケ”があるんだ」

「……もう知っている」

 申し訳なさそうに言うアッシュに、ナイトは不機嫌に言い返した。

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テーマ「人外ファンタジー」
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