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「おい、起きろと言っている」

「――何よ?」

 もう一度、今度は眉根を険しく寄せてナイトが言うと、もぞもぞとアッシュの隣に皺が寄って目を擦りながら起きたのはアッシュではなく見知らぬ女だった。
 艶めかしい肢体をゆっくりと起こしながら額に手を当て目を瞬かせた。
 絹の上掛けから姿を現した真珠のようにすべらかな肌は、豊かな膨らみを湛えている。
 一糸纏わぬ女は勝気な眼光で折角眠ったばかりなのよと、ナイトを睨んでからはっと表情を固くして口を開閉(かいへい)させた。

「な、ナイト様! もっ、申し訳ありません! 私(わたくし)ったら……!」

「――いい、下がれ」

「は……、はい!」

 ナイトが一瞥(いちべつ)すると、女はそそくさと己の着衣を乱暴に掴んで足早に部屋を出て行った。

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