山吹

部活終わり、下校途中わざと大学の方の道を歩いた。
今日の星占いは1位だった自分を信じて行ってみたら…

「あっ、凛ちゃーん!」
「…何清純」
「うわぁ…なんかキレてるね」

愛らしい容姿からは想像できないドスの効いた声に千石は戦いた。
何があったかは知らない聞かないけれど、随分荒れてるなぁ。

「ムスッとしてると可愛い顔が台無しだよ?」
「可愛い…?」

ああ…もしかして地雷踏んだ?
予感は的中。
凛は、朝から男の痴漢に会うは、告白されて襲われそうになるわで大変だった話を千石にぶちまけた。

「あー! 今思い出しても腹が立つ!」
「り、凛ちゃん、落ち着いて…」

一応大人しくはなるけど、まだ怒っている。
折角一緒にいるんだから笑ってる顔がみたいのに。

「そうだ! この前いいスイーツがあるお店見つけたんだよね。気晴らしに行かない?」

表情の固さは変わらない。
失敗したかなぁ…
千石が悶々と悩む中、凛がポツリと答えた。

「いいけど、清純…お金あるの?」
「えっ、とぉ…」

急いで財布を開く。
しかし中にはペラペラな野口さんが一枚と小銭が数枚あるのみ。
愕然とする千石の姿にクスリと凛は笑った。

「やっぱり持ってないんだ」
「南に借りて…」
「馬鹿。それくらい奢る」
「でも」
「いいの。後輩に心配されて嬉しくない奴なんかいないんだよ」

少し照れながら笑う凛に千石の目は釘付けだった。

***

その夜、凛ちゃんに誘われて、家にお邪魔した。
勿論泊まりで。
今は隣でぐっすり寝てるけど、さっきまで俺の下で乱れていて…
もう誰かに自慢したいくらい幸せだ。

「そうだっと」

すやすやと寝息を立ててる凛ちゃんをパシャリと携帯で撮った。
その写真をメールに添付する。
宛先は“亜久津仁”

「そーしん…と。これ見たら羨ましがるだろうなぁ」

***

携帯を開くと珍しくメールが来ていた。差出人はオレンジ頭。
どうせろくでもねえ用件だろうがな。
暇潰しにメールを開く。写真が添付されていた。

「ちっ…あの野郎」

写っていたのは月島の寝顔だった。
本文は読まずに消去する。
代わりに電話をかけたらば即効出た。

『あっ見た、メール?』「なんのつもりだ」
『お裾分けだよ』
「うぜえ」
『とか言って待ち受けにしてオカズにしてない?』
「誰がするかよ」

煙草を揉み消し、着替えをあさる。
たった今用事を思い付いた。

「俺ならもっといいやつを撮るぜ」
『え?』
「明日楽しみにしてろ」

そこで電話を切った。

***

昨日は千石、そして今日は亜久津と…
連続で中学生に付き合うと自分の年を少し感じる。

「アッ、仁っ待っ…ひぁあっ」
「うるせぇ、黙って喘いでろ」

それもできないかも…
しかもなんか今日の仁、激しいし。

「おら、一回いっちまえ」
「ハァアンっ」

息も絶え絶えな僕を仁は容赦なく突き上げる。
ドロリと中身と一緒に仁が僕の中から出ていく。
体が重い。
2日連続はやっぱり疲れる。

「はぁ…」

ベッドの上で少し呆けていると、カシャッというシャッター音で意識が戻った。

「なぁに…?」

視線を巡らせると携帯をこちらに向けてる仁の姿が映る。
もしかして撮られた?!

「ちょっ、なにやってるの!」
「あ? 写真ぐらいでガタガタ言うな」
「ただの写真じゃないだろ!」

取り上げようとしても身長差があるし、体も上手く動かないから無理だった。

「消してよ、そんなの」
「…しゃあねぇな」

聞いてくれないだろうと思ったら、意外にも素直に返事をした。
カチカチと携帯を弄るのを横から確認すると、確かに削除している。

「もしかして…最初から保存する気なかった?」
「どっかの変態ヤローと一緒にすんな」

写真で抜くくらいなら抱いた方が早い、なんて言う。
どういうことなんだか。
問い詰めるより先に仁が携帯を床に落として、唇を重ねてきた。

「えっ、ちょっとまた?」
「素股で我慢してやるよ」
「んん…! あ…っ、じんん」

足の間を行き来する怒張に体は勝手に反応する。
やっぱだめ。

「そんなんじゃいけないよ…ねぇ」
「はっ。ならしっかり尻あげてろよ」
「うん…ぁ、ああっふぁ」

中に割りいる仁を感じる。
その後二回目の絶頂を迎えた。

***

「はぁあ…その手があったか」

亜久津からのメールを見て大いに凹んだ。
送られて来たのは凛ちゃんの写真。
でも昨日俺が撮ったのより数段エロい姿で…

「亜久津のヤロー…今度ははめ取り写真送りつけてやるっ」

変な対抗意識に燃える千石であった。

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