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3
たまの笑顔が好き。
厳しいさの中にある優しさが好き。
沢山の知識があるところが好き。
表現が不器用なところもまた、可愛くて好き。
いつも親身になってくれるところが好き。
先生の入れる紅茶が好き。
紳士的なところが好き。
そして先生は私の味方。
「先生?失礼します」
ノックして部屋に入れば、洋皮紙に埋もれた執務机から顔を上げた。
「苗字か、今日はどうした?」
羽ペンを筆立てに入れ、先生は「ふう」と一息付く。
「先生、お忙しいですか?」
「まあ、見ての通りだが、お前の話しを聞くぐらいの余裕はある」
そんな風に言っても、嫌みとか皮肉とかじゃなく、不器用な先生なりの表現。
あまり何も思わなくなった。
「今日は誰かにいじめられたのか?」
先生は冗談っぽく言う。
「違います。そんな私を日本人だからいじめるつわものはもういませんよ」
笑いながら言う。
そんな時もあったなーなんて少し懐かしく思った。
でも、みんな私の後ろにスネイプ先生がいると解って以来そんなことなくなった。
「今日は、バレンタインデーだから、先生にプレゼントです!」
そう言って、手に持っていた可愛い紙袋を先生に差し出した。きっと顔は真っ赤に違いない。
先生に聞こえるんじゃないかと思うぐらい心臓がバクバク言っている。
ああ今にも飛び出そうだ。
「我輩にか?」
驚いたらしく、先生は目を見開いた。
「ええ、そうです。他に誰かいますか?」
「ありがたく、受け取っとく」
目を細め嬉しそうに私からバレンタインチョコを受け取った。
そんな先生を見ていたら、つられて笑顔になった。
「手作りか?」
「ええ、そうです」
また嬉しそうに先生は目を細めた。
あげてよかった。好きですなんては言えないけど、先生の嬉しそうなところを見ていたら、きっと思いは届いているようなそんな気がしてならない。
大好きです。
あなたの傍にいて、支えることが出来たらいいのに。
「名前、囚われる覚悟はあるのだろうな」
先生は言って不敵に笑った。
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mokuji