雲が大半を占めながらも尚抜けるような青空の下、所狭しと建物がひしめき合う中で頭ひとつ抜きん出た廃ビルの屋上に小さな人影が2つ


「まぁ、端ッから期待はしてなかったけどな」

「そう言わないでよ」

包みの中を食べながらくさる銀髪とそれを宥めるカレル



今から小一時間程前、スラムの路地を駆け抜ける二人の姿があった・・・・・実際にはもう一人は散歩紐よろしく尻尾を掴まれていた訳だが。


「カレル手前ェ!、いい加減解放しやがれ!!」

今程尻尾の長さを恨んだ事は無い。嫌がる銀髪をカレルは無理矢理連行したのだ。
少しでも遅れるものなら・・・・以前にも体験した痛みがじわじわと銀髪少年の身体に蘇ってきた。
無論カレルは足を止める気等ない。

横並びの形で走る二人。
睨んだ先には悪戯っぽくにいっ、と満面の笑顔

「このヤロ・・・・確信犯か!!!!」

「次の角左だよ!」

「!!!!」


かくして(一方的な)二人三脚はもう少し続く

「いやぁああああ〜!」


(※)動物の尻尾は敏感らしいです。



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