「多分ここいらだと思うんだけど・・・」

背の高い壁が視界を支配する薄暗い路地を注意深く見回しながら歩くカレルとベル。しかし何処に眼を向けようが蒼石のペンダントと言える様な代物は見当たらなかった。
同じく辺りに気を使うベルだが、その意図の半分は別にあった。

ここは確か、アイツ等の・・・。先程の痛みが思い出した様に身体中に蘇る。

「カレル、本当にここか?・・・間違えてんじゃねェの?」

「う〜ん。確かにここだったと思うんだけど・・・」

さっきから落ち着きの無いベルを他所に間の抜けた返答を返す。

「あっれぇ〜、お前白髪じゃん?」

見下した様な下卑た声が聞こえた。声の方を見遣ると、如何にもな風貌の集団が人、獣人、半端者合わせて7、8人程

何だよと言いたげに彼等を睨み付けるベル。急に顔付きを変えた彼の虚勢の裏の怯えがカレルには見て取れた。

「なンだ・・「何ですか貴方達は?」

ベルの言葉を遮ったカレルは集団とベルの間に立ち塞がる。

「何って、俺達はお友達だよな〜白髪ちゃん?」

「・・・・」

投げ掛けられた質問に答えず、ベルはただ黙って歯を食い縛る。他でもない「ノー」と言う事だ。
カレルにとっても彼等の雰囲気は親しみを持てる物では無かった。


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