「だから・・・・ベルセルク・・・名前」

やや顔を赤らめながらボソリボソリと呟く。

「あ、まだ聞いてなかったっけ。そっかぁ・・・じゃあ改めて宜しく、ベル!」

「その略し方止めろ!女みてェだろが」

「い〜じゃん、可愛くて」
「よかねェよ!」

いちいち勘に障る奴だが不思議と嫌悪感は抱かない。

変な奴だ
今迄と違う感情の芽生えに戸惑うベルだったがとりあえず捨て置いた。


「で、さっきの・・・ぺんだんと、だっけか?何処で落としたのか検討着いてンのか?」

「何々?いきなりどうしちゃったの?」

「うるセーな、メシの礼だ。その・・捜すの手伝っても良いって言ってンだよ!」

丸めた包み紙をポイ、とあさっての方に投げたベルは怒りながらもカレルに協力を持ちかけた。
ベルとしては他人に貸しを作るのは嫌だったし、何故だか、放って置けない気分になっていた。

「本当!?助かるよ、ありがとう!!」

満面の笑顔で抱き付く少年。

「だーーーーーーっ気色悪りィんだよ!!手前ェ、引っ付くんじゃねぇ!」

いきなりの、慣れない抱擁にたじろいで怒るベル
調子を狂わされてばかりだったが、もう少しカレルと居てやってもいいと内心で思っていた。




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