「ごめんごめん!君をいじめたり何かしないよ。あっ、と。自己紹介まだだったよね?僕の名前はカレル、カレル=ヴァネッサ。君は?」

「・・・・急に何言ってンだお前ェ」

「何って、名乗らないのは人に対して失礼じゃないか。」

屈託の無い笑顔でカレルと名乗った少年は言う。
「・・・・・・。」

「どうしたの?」

銀髪がククク、と嘲る様な笑い声を発した。

「・・・・「人」・・・ね。」

「?」

言葉を紡いだ銀髪の何とも言えない表情にカレルは一瞬困惑する。

そんな彼をよそに銀髪は再び歩を進めた。

「ちょっ、待ってよ!」

「カレル、だっけか?・・・・まぁ、どうでも良い。俺に関わったらお前ェも同類扱いだぞ。」

「どう・・・・るい?」

カレルには目の前の銀髪が何を言っているのか今一つ理解出来なかった。

「お前ェよそ者だろ?さっさと帰れ。」

「ダメだよ探し物がまだ・・・」

「は?」

「ペンダント、蒼い石でこの位の。ここの通りで無くしたのは判ってるんだけど余りに広すぎて・・・・」

親指と人差し指で尺を作りながらカレルはため息を一つ着く。

確かに、ペンダントの様な小さい物を捜すのにこの通り、もといこの街・・・・スラム街は余りにも多き過ぎる。いや、そうでなくてもここ最近の恐慌のせいか街の規模が肥大してきて住み着いて長い銀髪にも、もう把握仕切れないのだ。



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