紅と藍 「せ い ら ん くーん」 彼女はとても機嫌が良さそうだった。 反面俺はさっき自分の足で転けそうになってかなりのショックを受けている。…本当に転けなかった分、まだマシかな… 「青藍てばー」 いつの間に背後に回ったのか、背中に頭突きをしてくる彼女… 「…紅蓮、地味に痛い」 「あ、ようやく反応が出た!」 …いったい何がしたいのか… 「さっき流伽と話してたんだけどさあ」 何事もなかったかのように話し出すからちょっと反応に困る。いやまあ今に始まった事じゃないけどな、うん。 「みんなで昼寝しよう!」 ……… 「うん?」 「よぉし、そうと決まれば…ささっ!どうぞあちらの木陰へ!!」 「ちょっと待って今の「うん」は了承じゃないよ最後にはてな付いてるよ」 「細かいことは気にしない」 「別に細かくないよね、これ」 「んー…まあ最初から意見なんて聞いてないっていうか…」 「ひどくね」 「ひどくなーい逆にやさしいですー。…ほらもうみんな集まってるしあたしもう眠いし流伽の隣陽生とムゥに取られちゃったし…青藍のあほーあたしの特等席が…」 「じゃあ…」 俺の隣で寝ればいいじゃん 「(…絶対言えねえ)」 「よし分かった、あたしはムゥに突撃するから青藍は馨に突撃してね」 ムゥちゃあああん隣入ーれーてー! うるっさいわね流伽が起きちゃうでしょ静かにしなさいよ 「…何が分かったんだよ…」 俺の気持ち…は気付くわけないか、にぶいし…… そこまで考えてハタと気付く。 いやいやいやいやちょっと待って落ち着いて俺!これじゃあまるで俺が紅蓮のこと… 「紅蓮は結局流伽の隣で寝ちゃったね」 !! 「馨!お前いつのまに…さっきまであっちに…まさか、忍者…!!」 「そんなわけないじゃん」 「だよなあ」 「で?」 「…で?…って何が?」 「なんで紅蓮に言わないのさ『俺の隣で寝ないか』って」 ……… 「はぁ!?おま、なんか卑猥…!っていうかなんで俺がそんなこと言わなきゃなんねーの!?」 「まあもう遅いけどさあ、せっかくムゥと陽生と神無月が一肌脱いでくれたのに無駄にするとかうっかりすぎて大爆笑だよ…」 「本人の知らないところで計画されても…」 「…正論だけど…でも正直見ててすごくイライラするんだよね」 「…!(ショック)」 「って陽生が言ってた」 「…!!(すごくショック)」 え、なんでこんなこと言われてんだ俺!?もうよく分からない! 「気付かないのは本人たちばかりなりってねぇ…」 「…なんか言ったか?」 「いーや、何も?とりあえず早くあっち行こ、荷物番もしないと!」 「あ?あぁ、そうだな…」 (途中放棄) *** 紅蓮(←?)青藍 |