セレビィは時渡りをした! ▼ 不運にも(セレビィの不注意で)時渡りに巻き込まれてしまった緋炎(バクフーン♂)!ここはどこ、わたしはだれ?いったい緋炎はどうなってしまうのか!?…続く! ゴチンッ 「続く!じゃねーよ殴るぞ緑の」 「いたいっ!…もう殴ってるよ!事後報告だめぜったい」 「そうか、とりあえず早く戻せ」 ガツンッ 「いったい!ちょ、ま、待って待って戻すからちょっと待ってあと1時間くらい待って!」 「長い」 「そんなこと言わずに観光でもしててよ!じゃ!」 「あっ、待て、…緑のぉお!!」 悪いようにはならないからさ! 遠い空から緑の(…セレビィのことだが絶対にきちんと呼びたくない。)の声が響いた。 「どうしろってんだ…つーかここ、どこ?」 辺りを見回す緋炎、古い街並みに遠くにそびえ立っているのは… 「…スズの塔…ってーことは、だ」 エンジュシティか!よく見れば舞妓はんもいる!合点!と手をポンと合わせる。端から見れば不思議な黒ずくめの完成だが、そんなことは気にしない。 そのとき、 ドスッ 「わぷっ」 「うぐっ」 誰かが後ろからぶつかってきた。 結構な勢いでぶつかってきた正体を見ようと振り返るとそこには蒼い癖毛をトップでまとめた、10代前半くらいの少女がいた。 「(あれ、既視感)…大丈夫か?」 「!うわわわごめんなさい走りながら横見ててごめんなさい!」 「あ、ああ。気にすんな」 ぶつけたのか赤くなったほっぺを押さえたままペコペコ頭を下げる少女。どっかで見たことあるような…どこだっけ…。 思わず凝視すると、顔を上げた少女と目が合う。 「…あれ、お兄さん見ない顔だね、旅の人?あ、あたし"リオ"って言うんだけど、お兄さんは?どこ出身?何しに来たの?観光?」 「(…マシンガントーク)名前はヒエン。あー…ワカバタウンから来たんだ(間違っちゃいないぞ、間違っちゃ)。この街には…観光で、舞妓を見に来たんだ」 …ん?さっきなんか聞き覚えのある名前を聞いたような?いや待て落ち着けそんなばかな!いやでもここって過去か未来なんだよな(緑ののせいで)、もし、 「ワカバタウン?ずいぶん遠くから来たんだね、大変だったでしょ?」 もし、ここが、 「慣れてるからな、そんなに大変でもないさ」 『過去』だとしたら…? 「ふぅん?いいなあ、あたしもいつか旅に出たい…!」 「(…確かめて見るか…)あー、あのさ。突然変なこと聞いて悪いんだけど、名前の漢字、教えてくれないか」 「うん?いいけど…スモモにサクラでリオだよ」 スモモ(=李)にサクラ(=桜)でリオ… 李+桜=『李桜』 「(…これたぶん本人だわ!!)そうか、いきなり悪いな」 「ふふ、その代わりと言ってはなんだけど!」 「?」 「旅の話を聞かせて!!」 「…ああ、いいぜ」 「だいぶ楽しんでたじゃないか!僕を2回も殴っておいて…1時間も待たせて!」 待ちくたびれたよぷんぷん!と口に出す緑のはうざいこと限りなしだ。 「うるせーな、殴ったことはお前も喜んでただろーがよ…顔が」 「そんなことないよぷんぷん!!」 「きもい」 「失敬だな君は!!ぷんぷんぷぷん!!」 「とても気持ち悪いです」 「あ、敬語って結構傷つく」 …帰ったら、李桜にもう少し他人に警戒心持てって言わないとな… *** 李桜「そういえば昔、黒ずくめの観光客に名前の漢字を聞かれたわ」 燿「なにそれ変質者?危ないな」 李桜「いい人だったわよ?旅の話を聞かせてくれたりして…顔は覚えてないけど」 緋炎「ただいま」 李桜「おかえり!…そうそう、確かこんな感じ」 緋炎「…?何の話だ?」 李桜「ひみつー」 燿「秘密ーだそうだ」 緋炎「そういえば李桜!お前なー」 (緑の=セレビィ=うざくて痛い子、兄弟が多い、打たれ強いM気質) |