01
「私、七海千秋っていうんだ。よろしくね」
私より明るいピンクブロンドの髪を持つ、小さな超高校級の"数学脳"、兎木千鳥さん。
「、ななみさん…素敵なお名前だね。7っていうと循環節の長さがn-1の素数の最小だし、双子素数にも三つ子素数にも四つ子素数にも該当する素敵な奇数。あたし七角形って好き。」
「…?」
大人しそうな見た目をしているのに、どうやら違ったみたい。
ペラペラと彼女の口から難しい言葉が飛び出す。
「…ななみさん、奇数と偶数、どっちが好き?」
その時初めて彼女の表情が和らいだ気がした。
「んー…奇数、かなぁ…プレイヤーって大体1Pだし、ステージ内が3つに別れてたりするし、金額とかポイント系の最大値って9999だしね」
「お友達になろう、"ななちゃん"!」
どうやら彼女の基準をクリア出来たらしい。シュミレーションゲームは苦手だから、何処が上手くいったからなのかは解らなかったけど。
「うん、友達になろ。兎木さん」
「…名字やだ」
「ん、?」
ポツリと呟かれた言葉の意味が一瞬解らなくて、沈黙が流れた。
「、千鳥?」
「…うんっ」
輝かしいほどの笑みに、自然と頬が弛んだ。
「ななちゃんは、何の超高校級?」
数分前とは別人のように穏やかに笑う千鳥は、果たしてゲームなんてするんだろうか。もし、興味があるなら一緒にやり込みたいな。
「私、超高校級のゲーマーなんだ。ゲーム、好き?」