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『きっと、本当に綺麗なんでしょうね。デジェルが羨ましいです』

『なーに、いつか俺がお前を連れて行ってやるよ』

『本当ですか、カルディア?』

『本当だ、もちろん二人で。』

『なっ、カルディア。お前に道案内は出来ない、私が連れて……』

『じゃあ、みんなで行きましょう!アテナ様も教皇様もみーんなで!』


その時は、きっと聖戦など終わって。自分の役目も終わっていて、堂々と歩ける。


だから、みんなで行こうと彼女は嬉しそうに言った。


『げっ、んな大人数いらねぇだろ、』

『カルディアだけ留守番すればいいでしょう?』

『それは名案ですね、なまえ』

『なまえじゃなくてお前まで言うなよ、俺は行くぜ』


隣に座っていたなまえはカルディアとデジェルに小指を差し出した。





『約束、ですよ?絶対に連れて行ってくださいね』





微笑みながら、遠くない未来に思いを馳せる横顔が忘れられない。


何がなんでもそれを叶えてあげたかった。


きっと彼女が日の下を堂々と歩ける日が来て、まだやっていないことをやらせて。


きっと笑顔で毎日を過ごせる。


そんな未来を夢見た。


「ちくしょー………ダメだ、」


悔いはない。


だが、叶えられないことが少しだけ心残りで。


あの温もりにもっと触れたいと願わずにはいられない。


「だけど、未来に繋げた……」


消え去る炎を誰かに灯して、未来へときっと繋がっていく。


ここで終わったとしても、彼女へとどこかで繋がっていくはずだ。


そう考えると自然に口元が緩む。


昔の自分にはきっと想像出来ないだろう、全てを使いきりたいとがむしゃらになっていた自分には。


それも悪くはないが、今は彼女という存在で支えられている自分も中々悪くはない。


「………約束守れなくて、悪いな…」


遠くにいる想い人に届けるつもりで呟き、徐々に遠くなる意識の中でもやはりあの笑顔は消えない。




――カルディア!




遠くにいるはずなのに、まるで近くにいるように感じる。


どこにいても、どんな状況にあっても。


心はいつだって、君の側に――







「なまえ………」







薄れゆく意識の中、君の笑顔が消えずに残っていることが幸せだと心から思った。











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