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こちらのお話は連載第6話の番外編になります。
第6話後の夜に連載主と双熾のお話です。



お読みになる際はご注意ください。
























「どうか、なさいましたか?」

(め、眼鏡だ……)


ドアを開けた先にいた青年を見上げると、普段と少し違った姿に一瞬言葉が出なかった。


SSである御狐神双熾の部屋に来たのは初めてで、
先ほどの落雷の件で恥ずかしい場面を見られたこともあり、少し気まずい気持ちもある。


「あの、なんと言いますか……眠れなくて…少しお話がしたいな、なんて……」


そう、先ほどの出来事で気持ちが高ぶって中々寝付けなかった。


双熾が起きていて迷惑でなければ話をしたいと思って部屋に来たのだった。


返事が中々返って来ないことを不安に思い、なまえはそっと双熾の顔を除きこんだ。


「なまえさま、それは……」

「ごめんなさい、やっぱり迷惑でし……」

「それは一つになろうという意味で捉えて良いのですね?」

「は、はい?」


なまえの肩にそっと手を置いた双熾を見上げ、彼の顔がほんのり赤いことに気付いた。


この瞬間、自分がなにかとんでもないことをしたのではないかと後悔してしまう。


「なまえさまが心の準備が出来てないと思いお誘い出来ずにいましたが……なまえさまからお誘い頂けるとは、夢のようです。」

「それ、完全に夢ですから。私が言ったのはそういう意味じゃなくて……」

「なまえさまと将来について、たくさん語り合いましょう。」


会話が全く噛み合っていないことに彼はなぜ気付かないのか、
呆れてしまったが、双熾はなまえの手を優しく引いて部屋に入れてくれた。


初めて男性の部屋に、しかも双熾の部屋ということで更に緊張が高まる。


遠慮がちに靴を脱ぎ、双熾に案内なれて部屋の奥のリビングに招かれた。


「散らかっていて申し訳ありませんが、ソファーに座って少しお待ちください。美味しい紅茶が入りましたので、いま淹れてきます。」

「あ、すみません……御狐神さんにそこまでさせてしまって、」

「いいんですよ、僕はなまえさまがこの部屋に来て頂けて嬉しいんですから。」


双熾はなまえを安心させるように優しく諭し、キッチンへと入っていく。


いつだってそうだ。


彼は不安になっている自分に直ぐ気付き、安心感を与える言葉を向けてくれる。


些細なことでも気付いて、振り向いてくれる。


(どうして、分かるんだろ……)




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