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なまえは目線を落とすとそこには小さな動物がいた。


思わずしゃがみこんで、小さな動物に手を伸ばした。


「……か、かわいい…」

「触るな!てめぇ、」

「はいはーい、そこまでー」


豆狸の姿をした少年がいきなり倒れだし、彼の尻尾を握った男性が現れた。


年齢は少し上くらいの青年で、彼はなまえににっこりと笑顔を向けて豆狸の尻尾を掴んで立ち上がった。


「大丈夫?なまえちゃん。ごめんね、この子口が悪いだけだからさ」

「い、いえ……私は大丈夫ですけど…なんで名前を?」


尻尾を勢いよく掴まれて動かない豆狸が心配だったが、青年は笑顔を向けたまま話を続ける。


「秘密☆ほら早くラウンジに入ろう、みんな待ってるから」

「は、はい」


鼻歌を歌いながら歩く青年に続き、なまえは歩き出した。


さっき豆狸に変化した少年も同じ先祖返りなのだろうと思い、一先ずご飯を食べてから話を掛けようと考える。


タイミングよく双熾がエレベーターから降りてきて、四人揃ってラウンジに入る形になった。


「おや、夏目さん。お久し振りです」

「そーたん!会いたかったよ!」


やけに親しそうに話をする二人に疑問がわきなまえは質問をした。


「お二人は友人か何かですか?」

「そーたんとは大親友だよ☆」

「前の主人の所で知り合った方です」


二人は同時に言葉を発したが、随分と内容の濃さが違っていた。


最早なにも突っ込む気になれず、なまえはただそうですかと小さく呟くしかなかった。


「そーたんのそういう淡白な所が好き!」

「お褒め下さりありがとうございます」

「褒め言葉ではないでしょう……」

「そーたん大好き☆」

「ありがとうございます」


会話が噛み合ってない気がしたが、やはり突っ込むのも面倒になる。


さっさとラウンジに入ろうと考え、二人を無視してなまえは先に中へ入ることにした。


「「「ようこそ、妖館へ!」」」


ドアを開けた瞬間クラッカーの音が鳴り響き、野ばらとカルタと連勝の三人が出迎えた。


突然の出来事に一瞬言葉が出てこない。


そんななまえの反応を見た野ばらはにっこり笑い、なまえの手を引いてテーブルの真ん中へ連れて行った。




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