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小さなメモを頼りになまえはエレベーターの前に着き、部屋の番号を今一度確めた。
一応ここの鍵は貰っていて、セキュリティがかなり強化されているので入るだけで苦労した。
エレベーターの到着を待っていると後ろから名前で誰かに呼ばれ、
振り返るとそこには見知った男性がいたのだ。
「お、着くのが早かったのか?」
「連勝………ひさ、久し振り」
見知った男性は自分より二つ上の反ノ塚連勝、
彼もこのマンションの住人だった。
彼とは同じ仲間である為、昔から顔見知りの人物の一人だ。
「相変わらずちっせーな、あれ、お前のSSが見当たらないけど…」
「私の着く時間が早かったから、まだSSの方にはそれを伝えていなくて…」
本来ならまだ着く時間ではなかったが、
こちら側の事情で急遽早く家を出た為、SSと顔合わせをする時間より早く着いてしまった。
連絡を入れるべきか迷ったが、早めに着いて部屋を少し片してからSSと顔合わせをしても問題ないと判断したのだった。
「そういえば連勝のSSはいないの?」
「あぁ、俺のSSはあそ……」
連勝が指を指した場所からいきなり凄まじい音が聞こえ、
なまえが唖然としていると綺麗な一人の女性がこちらを目掛けて走ってきた。
「メニアァァァァァック!!」
「ひっ!」
「あぁん!その驚いた姿がまさにメニアック!可愛い、可愛いわ!!」
息を色々な意味で切らしながらその女性はなまえの肩を掴み、
意味不明な言葉を呟きながら一人で悶えていた。
それを呆気に取られながらその女性を見つめ、
それに対して彼女は更に興奮しだした。
「もうダメ!!私あなたのSSになりたかったわ!
その上質な絹のように真っ白でハリのある肌、あぁ、メニアック!」
「また始まったよ……こいつまだ来たばっかなんだからよ」
「えっと、連勝のSSさん、ですか?」
「そうよ、あなたが新しい住人ね?」
「あ、狗崎なまえと言います、よろし……」
なまえがすっと手を差し出すと目の前の女性はその場に倒れ、
再び意味不明な言葉を紡いでいた。
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