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「なまえに関してはもっと早くなんとかしていれば、あんなことは起きなかった。それは本当に申し訳ないと思っておる……」

「あの、謝らないでくたさい!お二人が私たちの知らない所でそんな動いてくださったことが知られて良かったです。」


本当に自分達は一人じゃなかった。


ここにいられるのも、それは全て菖蒲と目の前の思紋から始まったこと。


真実を知られて心から良かったと思っている。


「お二人のお陰で僕はなまえさまに出会って、幸せな日々を送っています。本当にありがとうございます。」


双熾は深々と頭を下げた。


その姿を見てなまえも慌てて頭を下げる、
隣にいる彼の顔がどんな表情をしているのか見えない。


だけど、心で思っていることは同じだと、不思議と思えたのだ。


「頭を上げてくれ、儂はここを動けない分、外で見てきた世界を話してくれないか?」


思紋は陽気に笑いながら二人にそう言った。


「どっちから告白したとかあるだろう?そういう話でもなんでも良いぞ!」

「し、思紋様……そ、それは、」

「そうですね、ではなまえさまの可愛らしい所など全てお話します。」

「双熾さん!」


























「はぁ、」


なまえは深いため息をつきながら、
すっかり色が変わった空を見上げた。


今日もひ一つまた色々なことを知ることが出来た。
一歩、一歩とまた新たなページを刻んでいく。


それが本当に嬉しいものだ。


「風邪、引かれますよ。早く中へお入りください、」

「双熾さん……」


屋敷の庭で空を眺めているなまえに双熾は酷く心配そうな表情だ。
お風呂から上がってそんな経ってないこともあったからだろうか。


双熾は厚手の上着を持ってなまえの肩にそっとかけた。






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