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時が流れるのは早い、


あの鳥籠にいたときよりずっと、ずっと。


それはきっと毎日が輝いているから、


友達や仲間が、


大切な恋人が側にいるから。


何よりもかけがえのないもの………




















「すみません、お邪魔します。」

「いらっしゃいませ、どうぞ中へお入りください。」


休日、双熾の部屋を訪れたなまえ。
双熾の部屋で過ごしてみたいと思っていたが中々言い出せずにいた。


そんなある日、双熾はたまには部屋で過ごさないかと提案してきたのだ。
そして今日は双熾の部屋で一日DVDを観たりご飯を作るということになった。


「玄関から凄い綺麗ですね、双熾さんのお家は。」

「いいえ、これでも少し散らかっている方です。片付けが間に合わずに申し訳ありません。」


そんなことはなかった、現にかなり手入れが施されていることが目に見える。


玄関から奥に案内される途中、ふと一つの部屋のドアが開いていたことに気づいた。


(ん………?あれ、なんか見たことあるような……)


「なまえさま?」


ドアの前で固まっているなまえの名を呼び掛けるが返事はない。


不思議に思った双熾は彼女の目線の先を追った。


「そ、双熾さん、こ、これは………」


思わず手に持っていたカバンを落としてしまった。


その方向に指をさすと双熾は小さく溜め息をついたが、一瞬でいつもの笑顔になった。


「もちろん、なまえさまコレクションです。」


双熾から出た言葉に理解出来ず、一体なにが起きているのか。


部屋に視線を戻すと、そこにあったのは壁一面に敷き詰められた自分の写真ではないか。


大小様々で、自分でも身に覚えのない写真がほとんどだ。
そして、よく見ると棚には前に双熾にあげたお菓子やプレゼントが丁寧に飾られていたのだ。


「こっ、これって犯罪じゃないんですか!?」

「そんなことはありません、毎日こうしてあなたに囲まれて生きるという、僕の喜びです。」

「いや、あの………」


真っ直ぐな瞳でそのようなことを言われても、なにも返す言葉が見つからない。


言いたいことはたくさんあって。


それでも強く思うことはただ一つ。



(こんなの、詐欺よ!!)









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