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もう、私は一人じゃない。


誰かが隣にいて、一緒に笑ってくれる仲間がたくさんいる。


だから、もう泣かないで。


これからは、もっと楽しいことや悲しいことがある。


だけどそれは生きる上で当たり前のこと、当たり前のことに触れることは幸せなんだと、


あなたに出会って初めて知ることが出来た。


私は、幸せだよ……………































「なまえさま、リンゴ剥けましたよ」

「ありがとうございます、うさぎのリンゴですか?」

「はい、ただ剥くだけでは寂しいですから、うさぎにしてみました」


ニコニコと笑う双熾だったが、リンゴをなまえの目の前に差し出した。


「はい、口を開けてください」

「は?」

「完治したとはいえ、まだ心配ですから僕が食べさせます」

「いや、自分で出来ますから!」


今回はいけると思いましたが………と双熾は悲しそうに目を伏せた。


食事は毎回自分で食べられると言ったのに、双熾は毎回食べさせようとした。


ため息をつきながらも、隣でそっと微笑む双熾に思わず笑みが溢れる。



あれから数日が経った。


目が覚めた時には知らない病室にいて、その側で双熾がずっと付いていた。


そして、そっと手を取ってただ「ごめんなさい」と謝るだけで。


たくさんのことに対して謝っていることに気付いた。


色々な人がたくさん苦しんで、たくさんのものを抱えている。


今まで忘れてしまったことでその苦しみを理解することが出来なかった。


全てを思い出した今、妹の苦しみも双熾の苦しみも分かるような気がする。


苦しかったのに不安や悲しみからずっと守ってきた双熾、ありがとうと精一杯の気持ちを伝えるとか、彼は泣きそうな顔をしていた。


「御狐神さん………いえ、双熾さん」

「はい」

「ありがとうございました、そして、ごめんなさい………私はあなたに苦しみを与えてしまった、忘れてはいけないのに……」


いくら事故とはいえ、急に目の前にいた人が自分を覚えてはいない、それはどれだけ悲しくて辛かったことか。


そう思うと胸がギュッと苦しくなる。


謝っても、たくさん謝ってもそれが消えるわけじゃないと分かっているはずなのに、







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