鮮光

障子から洩れる不快な光。そしてどこか快適な太陽の匂いに起こされる。昨日は寝るのが遅くなってしまったようで起きるのも遅れたかもしれない。気をつけなければ、と内心思う。
寝ぼけ眼で上体を起こす。まだ起き上がるのが面倒だった。枕の向こうに転がるくしゃくしゃのちり紙の小さい山を見ると何だか情けなくなる。そういえば、と昨日の半兵衛の言葉を思い出す。怪しいクスリがどうのと言っていた…。自分の体を調べてみるべきかどうか、ほんの短い時間だが悩んでしまう。寝間着は着ているが、面倒なので褌はつけていなかった。というか、あの状態で満たされないまま自慰で凌いだ後の褌の食い込みは体に毒だとも思ったのだ。密かに。
布団の中で股間に触れてみる。そこにはいつものように秀吉のものが確かな質量をもって、やわらかくもそこに存在している。会陰や袋をしつこく舐め回していた。半兵衛の舌の動きを思い出す。これも体に毒だ。忘れかけた熱がまた股間に集まってくるのが分かる。
「な、……ない?!」
一瞬で興奮は冷めたようだった。いつもは邪魔と思うこともある、ぶらぶら垂れ下がった二個玉が無い。なくすようなことをしたのだろうかとひどく不安になる。じゃあこの下はどうかなったのだろうかと、布団から両足を出して傍若無人に足を開いて玉袋と尻穴の間の辺りに指を滑らせる。細かなムダ毛が所狭しと生い茂っている。心なしがいつもと何かが違ったように感じたが、自分では分からない。そして鏡にあられもない姿の自分を映して見る勇気は流石にない。
「…っ、や、やわい…?」
前よりもそこはやわらかくなった印象。昨日の半兵衛の言葉を思い出す。もしや、そういうことなんだろうか? 否、全く意味など分からないのだが。数秒間の躊躇と、息をゆっくり吐いて吸って…吐く時間。あてがっただけの指をゆっくりと動かすーーー毛の生え方は、この呼び方が正しいかどうかは分からないが、今重要なのはそういった問題ではないーーー。縫い目を縫うように、確かめるように指を。
違う。今までと違っていた。そこは何かを受け入れることができるほどのやわらかさだ。縫い目を追い掛け尻穴のすぐ上までのごく短い箇所を撫ぜていた。最初はやさしくやわらかくゆっくりと。だが徐々に体に再びこもり始める熱に浮かされていく。本能的に左右に広げてしまえば口が開くことも知っている。だがそれが本当になってしまったら…そう思うとひどく怖い。そう思う理性もまだ働いている。
くりっ、秀吉の中指が何かに引っかかる。
「……うくっ…!」
思わず洩れた声は男の声そのものだが、甘い色を含んでいた。聞きたくないその声を抑えようと鼻息で何とか凌ぐ。しかし指は反射的に先ほどの引っ掛かりを探す。頭が痺れるような甘美さを知らずのうちに求める。
こり、こりこり、秀吉の指が確かにそこを撫ぜ回す。すぐにそれの快感の虜になってしまった。指の動きに強弱をつけてやると興奮はさらに増した。びくびくと腰が跳ねてしまう。秀吉は自分では気付いていないが、片膝を立てて股を広げて横になって悶えた格好。寝間着は肌蹴て股間は丸見えである。
気付けばこりこりする秀吉の指も実にいい具合にぬるぬるの液でぬめっている。弄られずに張り詰めた魔羅から垂れた汁か、その下でこりこりの近くから垂れた汁かは分からないが、早くもそれは秀吉の尻穴や太腿までをも濡らしていた。
気をやるには足らない気持ち良さに、濡れた指で尻穴を弄くる。いつも使う穴だが自分の指を入れたことはない。くりくりと毛をかき分けるようにして指を動かす。別の手でまたこりこりを押したり擦ったりする。くりくり、こりこり。くりくりこりこり、くりこりくりこり。
「ちょ、…発情期かい?!」
不意に、半兵衛の驚く声がした。
うっとり顔の様は拭いきれないが慌ててその場に体を起こす。秀吉は穴があったら入りたい気持ちで顔を真っ赤にして半兵衛を見つめる。まさか、人が来れば、呼ばれれば分かるかと思ってことに及んでいたのだ。半兵衛はノックをしなかったのか、それとも自分が夢中で気づかなかったのか。こんな淫乱な有様を見て幻滅されやしないか。股間を隠して両手を前につく。びちゃびちゃの手を拭いたいが、目の前の男の視線が秀吉を金縛りにさせる。
「………呼んでも何もないから失礼したんだけど、まさか自慰に熱中してたなんてね。いつもそうしてるのかい?」
「ち、違う。」
「じゃあどうして?」
「お、おかしいのだ…。その、昨日の、半兵衛。お前が飲ませたクスリとやらかも、しれん」
「……あ、そうか! 見せてもらわないと」
この男は…、と内心秀吉は溜息を吐く。自分でやったことのはずだが忘れてたと言わんばかりにさっぱり言うのだから。前はそんなこともなかったように思うのだがーーとゆっくり思い出す間もなく、半兵衛が秀吉の両足の間に顔を覗き込ませている。「凄い、おもらしみたいだね。」煽ろうとしていったわけではないまっすぐな言葉が逆に脳裏を痺れさせるほどに羞恥で犯す。半兵衛の弱々しい呼吸が股間に当たる。不気味な存在感にぞわぞわと鳥肌が立つ。まだ半兵衛は秀吉の足を抑えているだけだが、焦れた秀吉は何らかの刺激が欲しくて、欲しくて欲しくて堪らずにもじもじと腰を揺らす。もはや体に触れる少しのものが全て性的な刺激に思える。寝間着に擦れる首や乳、脇に臍や腹の全てまでがばらばらに欲情して刺激を欲しがっているようだ。
「はっ、はんべえ……」
「ああ、御免。ほんとうにオンナノコだったから、びっくりしてしまって。さっき、ここだったかな」
半兵衛の指が確かにくりくりと、こりこりにあてがわれる。自分以外の他人に触られることは目も眩むような快感だ。どのようにどう触れてくれるのか分からない。
「ここ、にワレメが出来て。で、これ、感じるみたいだね、お豆。結構、勃つんだ。」
ふうん、と半兵衛にしか見えないそこを見て、ワレメと言うときは会陰があったそこを指でなぞり、ぬるぬるを塗り広げるようにする。お豆と言ったときにさっきから秀吉が気にいったこりこりを軽く指で弾く。あっ、と声が洩れる。
お構いなしで半兵衛は先ほどの秀吉の再現をするように女陰の芽を摘みながら、いつものように尻穴に指を差し込む。どちらもひどく濡れていて熱い。ものは試しと豆を弄る指の一本を膣口に挿入する。一本くらいよく濡れて熟れたそこは、いとも簡単に飲み込んでしまう。くちゅくちゅと厭らしい音が辺りに響き、秀吉は耳まで犯される気分に酔う。もう快楽を追うことしか考えられない。秀吉は腰を振り快楽を貪った。半兵衛はあまり手を動かしてはくれないが、指の本数を増やしてくれている。心臓はばくばくと激しく鼓動を打ち、それのせいで呼吸は乱れ息苦しさすら感じる。だから声が洩れてしまう。
女みたいだ。いや、女なのか? でも男だろう。秀吉は恐る恐る胸板に触る。元々弱いそこはさらに感度を増しているようで、乳首を短い爪で摘んできゅうと引っ張っても痛みはない。女みたいに膨らんだりやわらかくなった感触はない。少し安心した。
秀吉はその安心感と快感の中、半兵衛の指を動かすように腰を揺すりながらびくびくと膣と魔羅と尻穴を痙攣させながら達した。凄く気持ちよくて我を忘れるほどに声も出てしまったのに、射精はいつものような勢いはなく、生み出される液体の色は濁った透明な粘液だった。それを掬って舐める半兵衛の姿にすら欲情し、甘い疼きが生まれてしまう。
「精液じゃないんだ。…甘みが強いかな青臭さはまったくないみたいだね」
まだ呼吸が整わない秀吉ははあはあと荒い呼吸で肩を上下させながらも、半兵衛の細い体を抱き締める。壁に寄りかかるようにしながら。
「感じてくれたみたいでよかった。」
半兵衛は呼吸を整えつつある秀吉の頭を撫でる。そういえば半兵衛はいつからか秀吉と直接的につながることがなくなった。ふと今更気づく。愛撫はいつも激しいのだが、彼自身は服すら脱がなくなった。聞いてみるべきか、そう思ったとき半兵衛は腰を上げた。
「クスリの効果は短いみたいだから安心して大丈夫だよ。
そうそう、用事があったんだ。書簡が届いていたんでね。ここに置いていくよ。あと、食事ができてると思う。僕は済ませたから少し出てくるよ」
本来の目的を色で忘れることなく、半兵衛は届いたという書簡を卓袱台に置いてそそくさと部屋から出てしまった。
まだ股間がじんじんしている。物足りないような気もする。だが欲に溺れているわけにはいかないのだ。秀吉もまた置かれた書簡に目を通しだすのであった。


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ふたなり秀吉。
ふたなりとかエロゲでよくあるんだけど好きじゃない。笑
でも気持ちよくなってくださいということでしてみた。そして半兵衛はどこまでもセークスしないタンパク男。
ただの変態研究員みたいな冷静さでむだにキモいという…。
そしてオナニー猿。
なんでこんなに豊臣軍ヨゴレなんだ笑

あんまり秀吉が気持ちよさそうに書けなくて残念。
次回最終回予定。ロマンチックな展開もクソもないけど、気持ちよくさせてあげたいと思うなり。

ちなみに次回は官兵衛でます。
まあまだキャラあまり分からないから捏造だが、前々から豊臣軍でSM散歩すればいいとか言ってたので出てくれておいちゃん嬉しいよ。でも秀吉も半兵衛もご臨終だがね
三成に人気集中しそうだから3でもやっぱあっしは孤独だね。ハイ

(続)→無色透明へ


Title of たかい