※ ひめかわ夫妻の小ネタ


やわこいの、いっしょに


 キスは挨拶みたいなもので、抱き合うのも挨拶。まるで外国の生活みたいだけれど、ただの結婚約十年ほどの新婚でもなんでもない夫婦のありきたりの風景。子供がいないからこんなふうにラブラブっぽい、外国っぽい感じでいられるのだし、夫婦のどちらも外の国に明るい仕事をしているから、というのもある。キスとハグは軽くやれるものだということを踏まえて、きょうはちゃんと仲睦まじくいちゃついていた。それは、挨拶なんかじゃなく、恋人や結婚相手と呼ばれる人たちのふれあいである。そんなことをしながら、唐突に潮がいった。
「竜也の好みは、やっぱり……きょにゅうなのか?」
 急すぎて、すぐには竜也も反応できなかった。きょにゅう。巨乳? 潮からそんな言葉が出るだなんて予想だにしていない。竜也はポカーンとしてしまった。
「何を唐突に」
「いいから答えろ」
 潮は裸になる前で、ブラウスのボタンを取られていた。それはもちろん目の前にいる竜也によって。そんな下着姿で何を言いだすのだ。下着の上から見る潮の胸の膨らみを見て、竜也は瞬間そこから目を離す。巨乳とか程遠い。あ、だからか。思い当たる節に、竜也は潮の身体へと手を伸ばしながら答えにならない答えをいう。
「あんまりデカイのはパス。乳輪デカイのとかキモい」
「〜〜〜〜〜」
 潮にはその答えが気に入らなかったようだ。やはりちょっとはぐらした答えでは満足しないらしい。そんな考えを打ち砕くかのように、竜也は潮の細い身体を抱き締めた。その身体はこれからのことを予想していてポカポカと温かい。早くも性的に高揚しているのだろう。その頬も若干、色付いているようだ。
「大きさより、かたち、かなあ」
 手を伸ばして下着の上から胸を揉む。あ、ん、と小さく喘ぐのを無視しながらも、姫川はその行為をやめはしない。そうしてほしいのだと分かっているからだ。むにむにとやりながら、姫川は出てきた言葉をそのまんま口に出す。
「やわければいいかも」
「でも、大きいほうが、あっ…、もみやす」
「何だそりゃ、豊胸でもしたくなったか?」
 じゃれあいながらそんなことをいう。揉むたびに体温の上がる潮の流れことなど構わずに手を動かす。急に胸の大きさがどうとかこうとか、何かあったのだろうが、どうでもいい。男は好き好きはあっても、ムダにこだわるやつなど少ないだろう。
「でも、豊胸だきゃーやめとけよ。シリコンだと思ったら萎えるわ」
 下着を剥ぎ取って、投げ置いてしまう。それを目で追う潮。豊胸なんかよりこのかたちがいいのかもしれない。この温かさとか、嘘っぽくなさとか。これだけの美貌なのに胸が小さいだとか。こういうマイナスもプラスになるのが情というもんなんだろう。
「入れんなよ、シリコン」
 竜也はその尖った乳首に吸いついて笑う。ひくりと身体を震わせて身を捩る潮。だが嫌がってはいない。潮は喘ぎとともに頷いた。
「揉めばデカくなっかもよ」
「…っ、そんな、俗説、だ…っ」
 潮の言葉に、竜也は堪らず笑った。それでも堪らず揉み続ける手の動きは、いつもよりいやらしい。揉み方のバリエーションというか、強弱つけて、あとは場所を指を細かく動かすことでいろんな部位をふにふにとやる。舌で転がして、唇をすぼませて吸いついたりしながら、ちゅうちゅうぺろぺろやる。それだけで潮からは身体の力が抜けた。竜也にもたれるようにしながら、いいようにされているこの瞬間が、潮はとても好きだ。こうなりたかったのだし、こうしてほしかったのだと感じられる瞬間。
「試しに、一日中揉んでてやろうか?」
 意地悪っぽくいう竜也が愛おしい。どうせ眠くなって寝るくせに。分かっていても潮はどこまでも甘く許してしまうだろうなと思った。胸を揉まれながら、それは記憶とかそういうものが気持ちよさでくたくたになってしまうけれど、それでもしあわせだった。
 偽物なんて金があるから入れられるけれど、生まれたまんまでいいじゃないか。リーゼントが似合わないという風貌を持つ竜也と、カップの小さい潮と。一見、何の悩みもなさそうな金持ちたちの、見えない欠点たちを垣間見る夜。


15.04.26

ひめかわ夫妻の小ネタです。
おっぱいを揉みしだきまくるはなし。あほか。
でも金があっても……なはなしですね。いつものことだけど、金がなくてもあっても、ほんとうに手に入らないものがあるってことですわね。それを金があるやつが、示す的な感じです。

ええと、自分のおっぱいを揉みながら、かんがえました。うそww


たまにアホな小ネタも投下させてつかぁさい!
2015/04/26 22:23:19