ライトニングリターンズFF13記念
ヨドバシで見たPVで滾ったとかw


 冷えた刃の切っ先が、懐かしくも見慣れた男の首筋に、迷いなく突きつけられる。あとは薙ぐだけだが、どうせこの男がそんな簡単に息の根を止められるはずもない。また、そうして生きてきたのだ。傷つきながら。傷つけられながら。人間でありながら、運命を口にしてヒーローを気取って、そして敗れたのだ。抗い切れない、それこそが運命だったのだろう。彼の魂はたしかに解放を望んでいながら、それを拒んでパックリ開いた傷口から血をダラダラと流し続けている。
「俺を救って下さるってのか」
「お前がそれを、望むのなら」
「それが…アンタの答えかッ! ライトニングッ!!」
 こんなに憎しみを込めて誰かの名を呼ぶことなどあり得ない男だったはずだ。生まれは人間であるはずの彼が、パラドクスと呼ばれる歪みに身を投じてから、時と時の狭間を渡り歩いていたのは知っている。その時ライトニングは人間ではなかった。その時、ライトニングは神に限りなく近いものだった。あの時のスノウは、望んで力を欲した。その代償がこれなのか。ライトニングもスノウもセラを救うことができず腹の中に同じ闇を抱えている。何度目かの生を与えられるのは、拷問に近い地獄だ。地獄はスノウを歪めてしまったのだ。長い年月を経て。
「私は、お前にも魂の解放を与えるためにやってきた」
 この力はどこまでも、誰にでも同じ安らぎを与えるだろう。ライトニングは自分の握る剣を見つめた。温かみのまったくない刃はどこまでも無慈悲で、人間も神もルシもファルシも、何も関係ないのだと感じた。これによって斬られることで訪れるのは解放に他ならない。だが、ライトニングには分からない。解放されたものがどのようになってしまうのかを。魂は最終的に解放されると浮かぶのか、砕けるのか、消えてなくなるのか、沈んでいくのか。だが、それを考えているヒマはない。ライトニングはその切っ先を激しく引いた。
 もちろん簡単にそれがなされるはずもない。スノウは恐るべき力でライトニングの体ごと剣を払った。相変わらずの馬鹿力は前よりも人間離れしている。既に人間でなくなってから長い年月が過ぎているのだが。二人の体が離れると同時に、激しい砂埃が辺りに舞って目の前の何もかもが見えなくなる。ライトニングは跳ねて遥か下を見ると仁王立ちの格好のスノウがそこにいた。彼に向けて力を高める。肉弾戦で勝てる相手と見るのは甘い。力では敵いはしないだろう。ならば、頭を使うまでだった。ライトニングが火の玉を放った途端、離れた相手が飛び上がってきた。火の玉を喰らいながら、しかしまったく痛がることも恐れることもなく。
「…なっ!」
 心が死んでからというもの、スノウは何も感じなくなっていた。セラはもうこの世にはいない。一度ならず二度までも、ルシの力に縋ってまでもなお、スノウでは救うことができなかった。恋慕や愛情など何の意味もないのだと知った。未来はかならずセラを押し潰すのだ。心など必要はなかった。心があるから悲しいのだ、嬉しいのだ、楽しいのだ。すべてセラを救えなかったスノウには必要なかった。自分をズタズタにしたかったが、この頑丈でたしかな身体は死すら嘲笑うのだった。死ぬことができないのならば、生きるしかない。幸せになることなど考えられなかった。早くセラと一つになりたいというのに、それは叶えられなかったのだった。
 痛覚のマヒしたルシはライトニングを思いきりパンチした。掠っただけだが華奢でしなやかな身体は上空へ舞った。鎧からはらりと散り落ちた羽根の装飾が邪魔くさい。それが落ちるたびにセラを思い起こさせられて苛つく。あの羽根のすべてをむしり取ってやる。スノウは再びライトニングを追って跳ねる。
 どちらが先に死ぬか。どちらでも構わない。生きていても地獄が続くだけで、死ねば解放されたなどと言われるだけなのだ。どうなるかなど分かりもしないのに。ただ二人の望みは一致していた。セラを救えないことをひたすらに嘆き、病んでいるだけで時を過ごしてしまったのだ。過去に囚われ続けてすべてが壊れてしまったのだ。破壊の先に、答えがあるのならば見てやってもいい。ライトニングの鎧に装飾された羽根をむしると、ライトニングの白い太腿が露わになった。その脚から切るような鋭い蹴りが放たれる。それをスノウは軽くそらして頭から体をぶつけて地面に叩きつけた。並みの人間ならばとっくに絶命している。だが相手はライトニングである。咳込む程度で気丈に睨みつけてくる。百年ぶりにもなろうか、ムクムクともたげてくるものがある。スノウはこの目の前の化け物のような、かつては義姉さんと呼んだこの女を暴いてやりたくなった。顔を思いきり近づけ、耳に息を吹きかけ太腿にサラリと触れた。
「…っ、下衆が!」
 あくまでライトニングはライトニングなのだった。気丈に睨みつけてくるものの、その眼光の鋭さは数秒前の輝きを無くし、どこか迷いのある目をしている。この世に神も仏も解放もないのだと体で知らせてやる必要があるのだとスノウは思った。強く拳を握り直す。この体制では負けるはずもないだろう。ニヤリと笑った。
「下衆で結構。その下衆に、アンタの妹はヤラレっちまってるんだぜ?」


13.11.13

昨日、ヨドバシに行ってきました。
PVが流れてて、やっべースノウやさぐれてるとか思いましたw
やっぱライトさん大好きです。でもFF13-2まだまだなので話がついてけないから早くクリアしないとなぁ…
13シリーズはとりあえずバトルの面白さはあるので、リターンズどうなるのかね?という所だけど。。まぁ映像作品的な意味では楽しみにしてますが内容はそこまででもないです。
あとは音楽も楽しみだなw


チャラチャラ〜っとうちましたが、まぁ記念で文を書いただけなので特に意味はない
2013/11/13 15:07:22