◆怪談 昔話◆




#恐い話が苦手な人は読まれない方が良いかも知れません…#






怪談話をおひとつ。
むかしむかし、ある滅多に雪の降らないような暖かい地方に、「鬼」に支配されている町があったそうな。
その鬼のこわ〜いトコロというのが、鬼のせいで「男」がいなくなってしまうこと。鬼が来てからというもの、男という男が全員女にされてしまうというのだ。そんなだから、男どもは鬼に恐怖して暮らしていた。そして町からは男が消えていったのだった。
どんな風に女にされるのか、女になってしまった男どもはその恐ろしさから口を開かない。理由は謎のままだったので、回避する手立てが見つからない。なんとかしようと立ち上がった青年がいた。名を孟徳といった。
もちろん、周りは止めるんだ。「女になったらどうする?」「殺されてしまったらどうするんだ」
しかし孟徳は周りが止めるのも聞かずに、自らを囮とし、鬼を止めることを心に誓った。

鬼の元へ行くと決めた日の前日、孟徳の従兄弟・夏侯惇が訪ねてきた。もちろん止めに来たのだった。
「儂は何を言われようとも決めたものを取り下げたりはせん」孟徳が言うと、
「お前がそんなことをする必要はない。何のために俺がいるのだ。だったら俺がやる」と止める。
夏侯惇の説得で、孟徳は「そこまでいうなら……」と諦めかけた………
その時だった!
家の扉がガラリと開き、大男が入って来て、こう言った。
「じゃあ、お前がやればいい」

「なに〜〜〜〜っっ!!??関羽キサマ…」
どうやら仲の悪い二人が揃ってしまったようだ。
どちらも孟徳の仲良しなのだが、どうもこの二人、ウマが合わぬ。顔を合わせればケンカばかりしている。
「人の話にしゃしゃり出てきやがって…貴様には関係無い」
と夏侯惇が言い終わるか終わらないかのうちに、孟徳が口を挟む。
「まぁ二人とも、ケンカするでない。それに関羽の意見はもっともではないか。よしそうしよう、頼んだぞ夏侯惇」
ここでビックリしたのが夏侯惇。あんまりだ、裏切り者だ、最低人間だ、人でなしだ。さっきまでの言葉は何だったんだ?
そんなこんなで、夏侯惇が囮になり、鬼退治をすることを心に誓ったのであった。

次の朝、孟徳、関羽、夏侯惇、の三人が手を取り、誓いの言葉を口々にする。
「我らが力を合わせれば、何事も恐ろしくは無い。共に行こうぞ!」と孟徳。
「拙者、たとえどんなことがあっても、この誓い果たし鬼を討つ!夏侯惇、骨は孟徳が拾ってくれるそうだ。思う存分やるがいい」と関羽。
「………俺が生きてここへ帰ったら、貴様らを殺す!」と夏侯惇。
様々な思いが交差する仲、三人は鬼退治に旅立ったのであった。

「…ここが鬼の住処か。意外にも洞穴でも何でもねぇじゃねぇか。大そうな屋敷だな、オイ」最初に足を踏み入れなければいけない夏侯惇が息を呑む。その後ろで孟徳と関羽が目を合わせ、頷き合っていた……と思ったら、関羽が後ろから夏侯惇に早く入れとばかりに蹴りを入れ、その衝撃で家の中に転がり込む夏侯惇。
咄嗟のことに何が起こったか、錯乱していた夏侯惇だったが、鬼の姿を目の当たりにしてハッと身構えた。
ゆぅっくりと近付いてくる、鬼………。
ゆぅっくりと……。

その頃、孟徳と関羽は、「では鬼は夏侯惇に任せて、我らは戻り帰還を待つか…」と言って、帰路についていたのであった。

しかし…夕暮れになっても夏侯惇は戻って来ない。
「逝ってしまったのかのぅ…」孟徳は関羽と杯を交しながらぼそり呟いていた。
そう、それはあまりに悲しいことだ。昔から共にあった従兄弟…儂のどんな我儘でも聞いてくれた、優しい従兄弟だったのに……
二人は酒を飲みながら、夏侯惇の安否を心配してい………
ドンドンドン!!急に家の扉がけたたましく叩かれた。孟徳はそろそろと近寄っていって、扉を開く。
「おぉ、夏侯惇、無事だったか!」笑顔が孟徳の顔いっぱいに広がる。
そこには、勇敢にも一人で鬼に立ち向かった、英雄である夏侯惇の姿があった。
…女になって。

「貴様ら、逃げやがったな…殺すぞ?」女になったために、凄んでもイマイチしっくりこない。迫力半減だ。
「まぁまぁそう言わずに。疲れたろう?休め休め。ほら飲め飲め」夏侯惇に酒を注いでやる孟徳。
夏侯惇、かなりご乱心のようだが、疲れのためか関羽にかかって行きはしなかった。睨んでいるだけだ。
しばしの休息ののち、孟徳は夏侯惇に何があったかを聞いてみる。
話の内容を整理すると、こういうことだ。

鬼の家の中に一人取り残された夏侯惇は、錯乱しながら鬼を姿を目の当たりにし、更に冷静さを欠いていった。
鬼の姿というのが、顔が赤く(松ヤケ)口が裂けていて(喰われる!)ヒゲもじゃで(もじゃ公)筋肉モリモリ(マッスル×2)という恐ろしい容貌をしていたと言う。
ビックリして体が言うことを聞かない!外の二人を大声で呼んだが、もうそこに二人はいない。
そうこうしている間にも、鬼は夏侯惇を見て「美男子じゃぁ〜美男子じゃあぁ〜」と舌なめずりしながら寄って来る!
その場で夏侯惇は、ドカッと床に叩きつけられ、押し倒された。もう逃げる術は無い!
「…でどうした?」孟徳は夏侯惇の話を促す。
「殺される!と思ったんだがな、違かったんだ。その場で服剥ぎ取られてこっちはスッポンポン。そしたらちんちん掴まれてシゴかれて咥え込まれて…いつの間にか無くなってやがったんだよ!」

この日、関羽は「明日拙者が鬼退治をしよう」と言い放ち、見事一撃のうちに鬼を葬ったのだという。それは凄まじい、木の棒一本の攻撃だったのだそうだ。
夏侯惇はそれを見て「俺の苦労は何だったんだーーー!!」と嘆いていたらしい。
鬼が死んでしまったので、辺りは平和になり、関羽は鬼退治をした英雄として、町のあちらこちらに祭られることとなったそうだ。
しかしビックリしたのはそれだけではない。鬼の亡き後、鬼の住処に行ってみると、今まで男たちからとっていたちんちんの山が、酒に浸けた状態になって大量に出てきたそうだ。つまり、鬼はちんちんコレクターだったのだ。
そのことから、鬼は「ちんちん鬼」と呼ばれるようになったそうだ。
ね?恐いでしょう?
この地方では、今でもこのちんちん鬼の伝承が語り継がれていて、親の言うことを聞かない子供に聞かせる話となっている。





★わ〜いわ〜い!好きなキャラしか出てこねぇ(笑)
主役が定まらなくって。結局誰だか分からない…みたいな(笑)一応は惇兄ですけど。
ちんちん鬼は、言わずと知れた孫権ちゃんですけど(風貌で分かるだろ)。スゴイ好きですねぇ。孫権話ばっかり書いてます。今回は無双孫権に倣ってみたつもりです。
伝承ですからムリのある設定盛り沢山なんですけど。なんで「女になるんだ!」とか思わんかった?今でも分からない…。

06年作成



追記:20100508 はわわ。これってただの女体化ってやつ?
いつ書いたか不明ですが、頭の悪さと好きキャラはあまり変化ないようです。


2006/01/23 02:16:30