(夏目から見た『神崎君と城ちゃん』)


「神崎君見てると飽きないよねー」
 夏目は神崎を見てそう評する。
「でも城ちゃん見てても飽きないや」
 どちらのこともいたく気に入ったらしかった。その理由を説明しろ、なんて野暮なことを聞いたつもりはない。ただ神崎は思わずこう返しただけだ。
「ハァ???」
 実際、理由については気になっていたけれど、聞いたところでまともに取り合うとは思っていないと最初から分かっていたら、あえて聞こうとすら思わなかったというだけのこと。だが意外にも夏目は不思議そうな表情をした。理由を知りたいと思われるのが意外だと感じるくらい、夏目にはどうやら当たり前のことだったようだ。
「まず、ギャップとか。ホラ、いつもは怖い感じだけどさ、こう、話してみると印象違うし」
 言われてみればそう見えるかもしれない。と神崎は頷く。確かに見た目でいえば充分に神崎も城山も恐怖の対象であることには間違いないだろう。そう思われて当然だとも思ってきたのだし。印象が違うのは当たり前だ。仲間内で凄んでどうする。
「あと、例えば城ちゃんのピアス、引っ張ってみたらどのくらいで千切れるのかな〜、とか」
 千切れ…?
「神崎君の頬の傷ってば、引き裂いてみたらどうなってんのかな、とか」
 傷…、と思わず傷んだような気がして触ってみる。
「裂いた時どういう声出して、どんなふうに痛がるんだろうとか。
 その傷指でぐりぐりって開いて、赤い中に突っ込んでみたいな、とか」
 ざざざっ。音を合わせたようにほぼ同時、神崎と城山が夏目を睨みつけたまま構えつつ後退した。
「フフフ……」
 夏目が笑っている。いつものように髪をかきあげつつ上げた顔は狂気に満ちているようだ。光の加減なのか本性が出たのか知らないが、夏目の目が赤く輝いているように、神崎と城山の目には映った。ああ、まるで彼が欲している血のような赤目。
「ウケるし。ジョーダンだってば、神崎君、城ちゃん。」
(………お前が言うとマジにしか聞こえねぇ〜んだよ…)
 2人同時に心でツッコんだ。にこやかな笑みすら悪魔か鬼畜生に見える。願わくば、ああこれがほんとうに夏目の冗談でありますように。誰にともなく祈りましょう。


11.09.13
頭ガンガン痛い中、思い付いたイタイネタ。
ドドSっぽい夏目とM宝庫の神崎組。
マジどのくらいSか分かんないけど、書いてるヤツの願望も入ってるっていう罠
環境とかは神崎に結構似てるあっしですが(ヤのつく職業とそう遠くない家庭環境上等)性質は夏目に似てるとかどぉ〜〜よ??
変態上等。なんとでも言え。

2011/09/13 22:23:17