FF13 がっつりスノウ×ライト…ちょいエロです。
ご注意ください。




 クリスタル。


 セラ。



 ルシ。



「セラ!」
 スノウの叫びと衣擦れの音。冷たい感触にひんやりした空間。ゾッとする。まるで、さっき見たばかりの恋人のクリスタルの姿が前面に広がっているようで、スノウはビクリと全身を強張らせた。セラが怖いのではない。瞬時に思ってしまったのだ。セラのようにクリスタルになってしまった『使命を果たしたルシ』がそこらじゅうにまるで、モノのように粗末に棄てられている場所なのかと思って。
 だが、違った。サッズの声、ライトニングの声、ヴァニラの声、ホープの声。そして、ルシの残骸――シ骸――を殴った時のスノウの拳に宿った氷の力。5人はルシにされたのだ。きっと、倒したファルスによって。
 この世界――コクーンと呼ばれる――には伝説がある。簡単な言い方をすれば「クリスタル伝説」。伝説の元になるのは神。神はどんな存在なのか解らない。だが、神の使いがいる。それがファルシ。ファルシは神の使いで永遠の命のようなものをもってはいるが、それと引き換えというべきではないかもしれないが、進化することができない。つまりは神が使うコンピュータのようなもの。コンピュータは進化や変化を望まない。だからファルシはルシを創る。ルシとはファルシができない『可能性』を託す相手である。ファルシはルシに「使命」を与えてそれをやり遂げてもらう。使命はファルシによるのだろう。使命が何であるかは、ルシになった際に脳に流れ込むのだという。それは言葉とも映像とも言えぬ、脳へ直接送られる何か。それを、同じ使命を5人は視た。
「……ラグナロク」
 それは聞いたことのない言葉。だが、5人は知っていた。ルシだから。
 内容は、口にしなくても分かっていた。それは5人とも視ていたから。コクーンはラグナロクによって滅ぼされる。ラグナロクを手に入れるのはルシ。だから、5人でコクーンを滅ぼせ、という暗示なのだと。誰もが口を閉ざし、表情を曇らせた。しかし、スノウだけはそれを受け入れない。否、受け入れようとしない。恋人が――セラが――クリスタルになる間際に言った言葉。
「コクーンを、守って」
 そう言い残し、セラはクリスタルとなった。全身を結晶と化して、伝説の通りに言うならば『ファルシの使命を果たしたルシは、クリスタルになって――永遠を手に入れる』。セラはラグナロクを手に入れた訳でも、見つけた訳でもない。だがクリスタルと化した。それはコクーンを守るためにラグナロクを見つけて倒せばいいんだ、とスノウは力説する。
 そんな話をしているうちにルシとしてコクーン聖府軍の追手が現れる。ルシを始末しなければならない。ルシはコクーンを滅ぼそうとする者だから。そういった使命をもつ者らだからである。
 軍人らを退け、5人は奥へと進んだ。そこにあったのはセラの形をした、さっきクリスタルと化したセラの半身。それは身体の半分が埋まっていてすぐに助け出すこともできない。スノウはありったけの力を出してそこから掘り出そうとする。しかし実姉であるライトニングはそれを鼻で嗤う。何をしてもムダなのだ、ルシになったということは死んだこととそう変わりはなしない。死体は腐らない代わりにクリスタルとして一生ある。それだけ悲しみも、大きいかもしれない。ファルシのシモベとなった姿に納得などできるはずもない。
「お前に、……ッ、お前に何ができる! 何もできなかったろうが!」
 怒りを拳にぶつけ、スノウを殴った。何発か入れてしまえば頑丈な身体も腑抜けたように冷たい地面にひっくり返った。馬鹿馬鹿しい、唾を吐きかけてやりたかったが、さすがにヴァニラやホープら子供のいる前でやる行為ではないと思い、何とかその思いを引っ込めながらスノウから背を向ける。顔も見たくない、そう思う。
 この場所から離れたかった。しかし、どうすればいいのか皆目、見当もつかない。ビルジ湖。ここはあまりに冷たく、悪い思いを余計に引き出すような場所だ。だからこそ、コクーンの下層にあるのだろう。青く光る風景を恨めしく思った。その中でひときわ反射するように光るセラの形のクリスタル。立ち上がろうとしているスノウに向き直り、もう一発、さらに一発殴りつける。
 ライトニングとて殴っても仕方がないことは解っていた。けれど、殴ることをやめられない。
 殴ることで妹――セラを失った悲しみを吹き飛ばそうとしている。本当は女々しい。そう感じながらもさらに一発、スノウの顔を殴った。彼の顔は少しだけ腫れていたが、それ以上にライトニングの手にも痛みが伝ってきた。もしかしたら腫れているかもしれない。ムダなことをしてしまったと思いながら再度、スノウに背を向けた。



 忌々しいムダな音など聞きたくない。
 更に現れた追手を倒した後、ライトニングはスノウ以外の者に向けて言葉を放った。
「……少し休息してから、私はゆく」
 本当は休むつもりはなかった。ここは悲しみしかない場所。セラのクリスタルを見ていたくはない。セラを連れていけないのが苦しくて、哀しくて、悔しいからだ。自分は全てに負けた、と思ってしまうから。そして妹を亡くしたことを思ってしまうから。認めるしかない場所だから。それでも子供らがいる以上は休息をしなければならないと感じた。サッズもそれを理解したのだろう、結晶を背に寄り掛かった格好でずるずると腰を下ろす。皆、疲れている。
 嫌な汗をかいた。ライトニングは小さくヴァニラにだけ「水を浴びてくる」と告げ、湖に向かった。そこらに水たまりのような場所はいくらでもあったから、すぐに浴びることはできるだろう。スノウを殴ったことにより熱をもった手を冷やしたい、という思いもあった。何より水浴びするのが今のカッカした気分を冷やす一番の方法に思えたからだ。



 その頃、そこらに落ちていたガレキの棒でクリスタルを掘り出そうとしていたスノウだったが、じわり、額に汗が滲んできた。もう腋の下なんかは汗で気持ち悪い。ふう、と一人溜息交じりに額を拭う。この場所を掘るより、別の場所の方が掘り易い場所があるかもしれない。今まで気付かなかったのはバカだったが、気付いた自分自身に内心拍手喝采しながらゆったりと立ち上がる。ゆっくりとセラの周りを回ってから考えてみよう、と思った。そんな明るい考えだったのだが、やはり足取りは軽くはならない。身体も心もへとへとに疲れている。解っている。だからこそ、ヒーローは皆の前では強がらなくてはならないのだと思っている。
 じゃり、じゃり、と足を引きずりながら歩く音が静かなビルジ湖に木霊した。スノウ自身の呼吸音すら五月蝿く感じる。それだけここは静かなのだと思った。セラを見失わないように、セラがいる場所からあまり目を逸らさないようにしつつその周りを回る。掘り易いような場所が見つかることを祈って。地面を見れば結晶化したクリスタルに覆われている。どこから掘ればいいかなんてもちろん解る訳もない。ただ、見つけなくちゃならないと、そう思った。それを誓うために、懐に入れたセラの涙の結晶を服の上からぎゅっと握った。そんなことに何の意味もないだろう、とライトニングはきっと嘲笑するのだろうが。
「……あれ?」ふと視線を上げれば、水が映る。クリスタルではなくて水。ああそういえば、とここがビルジ湖であったことを思いだす。汗ばむ身体を放っておくのも身体によくないかな、なんて頭の中で一人ごちながら水浴びをしようかと考える。だが、そんなことをしている場合なのか!とセラの結晶を掌に感じながら自問自答する。もちろん、答えなんてないのだけれど。

「あ……」
 セラのことを考え過ぎたせいかもしれない。セラの後ろ姿がスノウの目に映る。
 忘れはしない、ピンクブロンドの髪。ウェーブのかかった髪はふわりと揺れる。そのセラの裸体を初めて見た。しゅっと締まったスレンダーな腰。思ったより肉づきはよくないかもしれない。やはりそれだけ幼いということなのだろうか。しかし肌のきめ細かさは目を見張るものがある。クリスタルの反射による光に照らされて輝くその姿に、―――激しく動揺した。

 なんと間抜けなことだろう!
 セラではない。目の前のピンクブロンドの揺れる髪の持ち主。それはセラの姉、ライトニングの姿に他ならなかった。どうして一瞬で気付かなかったのか。それはセラを求めるあまりだったのだろう、とスノウは思う。水浴びをするライトニングの姿から眼を逸らすことができない。心臓はドカドカと早鐘をうつように激しくスノウの脳内を侵す。この音はやばい。普段の思考を奪う音。そして、静か過ぎるここでは耳を塞いでいても聞こえてしまう魔の音。はぁはぁと呼吸も五月蝿い。苦しさすら覚える。
 どうすればいいのか解らなかった。心音に比例して呼吸は激しくなっていくのに、眼を逸らすことができない。頭の片側がやけどしそうなくらいに熱いのに、もう片側はひどく冷めていてスノウに語りかけてくる。『こんなところ、見つかる訳にはいかない』。同時に、強い欲求が頭を擡げてくる。
 心臓の音は破裂しそうな程に激しくて、思わずスノウは後ずさってクリスタルの影に隠れた。本当に隠れることができたかどうかは解らない。クリスタルは光を放っているし、半透明な物質だからスノウの形を隠してはくれないかもしれない。気休めでもいい、落ち着くために距離をおくべきだと思った。冷たい空間なはずなのに、スノウだけが発火しそうなくらいに熱い。
 マジでやばい…! スノウはセラの涙から手を離して前屈みになる。ぐ、と腹を押す圧力。女の裸の後ろ姿くらいで腹につきそうなくらいに勃起している。十代前半のガキかよっ、と心の中で悪態づいた。だからといってどうなるものでもないのだが。この痛いくらいの欲望を今、どうすればよいのか解らない。ぎゅっと強く、ズボンの上から欲の塊を握り込む。普段なら痛むぐらいに。
「っ、セラ……」呼吸のように吐き出した声。ライトニングがスノウの側を身体ごと振り向く。だから観てしまう、観えてしまう。ライトニングの産まれたままの裸を、直視してしまう。真正面から。
 スノウは瞬きも忘れて、その姿に見入った。ライトニングが何の反応も示さないのは、スノウの存在に全く気付いていないからに他ならないだろう。呼吸の音も耳に入らない。ただ貪るように目の前にある女の裸に目を奪われている。心臓の音は馬鹿みたいに五月蝿いままだが、そんなことはどうでもよい。これを観られるのなら何を言われても構わない、とすら感じる。
 じっと目を離さずに水浴びの様を見つめる。こんなに観てしまっては、やはりばれてしまうのではないか、そう感じながらも眼は離すことができないままに。心臓の音は邪魔だったが、それ以上に彼女の身体は穢れない。きめ細かい肌、クリスタルに照らされてもその汚れは見つけることができない。肌の上を舐めるように滴っていく水。あの水になりたいとすら感じてしまう。水は流れて胸の上をも何事もなく流れ落ちていく。その水はきっと冷たいのだろう。寒さによってと思われるが乳首がぴんと立っている様子が照らし出されている。ゴクリ、触れることの敵わないその身体を観てスノウは思わず息を呑む。
 愚かなことだとは解っている。だが、欲望というものは本当に果てしない。観られるならばいい、と思っていたその欲望はいつしか、その水を浴びる美しい身体に、触れたいとすら願う。それがどれだけのことであるか、セラにとってライトニングにとって、どういったことになるのか。答えは解らないが、とんでもないことであることは解った。めちゃくちゃな雄の欲望を抑えようと再び股間を強く握る。さっきよりももっと強く。血流が止まれば、興奮も治まるかもしれない。そのくらいに強く。
 しかし男の身体は不思議なものだ。いつもの状態ならちょっとした攻撃でも痛い痛いと喚いたりのたうち回ったりするくせに、すっかり臨戦態勢になってしまったペニスは少々の力ではただの興奮材料にしかならず、快感には敏感なくせに痛みにはひじょうに鈍感になるといった困りもの。そして常々痛んだら可哀相と可愛がってきた息子である。本気で痛めつけることなどできるはずもなく、ぎゅっと押さえ込んでやる程度のもの。もちろん興奮など治まるはずもない。
 ライトニングの姿を隅々まで見つめてしまう。少しずつ浅いところへと歩む姿。まだ胸の中心は尖って、何かの刺激を待っているかのように見えた。今まで隠れていた腰から太腿にかけての緩やかな女性特有のカーブ。軍事に身を浸し引き締まった身体であったとしても、女性であることは隠しようがない。身体の中心にあるなだらかな丘に潜む叢が水面に揺れている。水から上がればそれは肌にひたりとくっついて、あの叢を掻き分けて内に潜むライトニングの女性の部分に触れたい。そこを舌でしゃぶって今のようにくっつけてやりたい。欲望のまま奥まで突き入れてしまいたい。その思いを隠してしまいたかった。もはや立っているのがやっとの状態ではあったが、ライトニングに見つかるのは何が何でもまずいという冷静な気持ちを呼び起こして、身体を拭うその艶やかな様から何とか目を逸らす。慌ててセラのクリスタルを目掛けて足を進めた。
 こんな思いを抱くことですら間違いだというのに、欲情した自分がひどく恥ずかしい。そう思いながらも欲の杭は熱を治める術を持たず。どくどくと服の中で脈うっている。脳裏にはさっきのライトニングがあり、目の前にはセラのクリスタルがある。
 スノウは小さく呻く。きっとセラを抱いたことがあったのなら、この思いもまた違ったものになったのだろうに、と。
 まともな思考なんてきっとないだろう。どくどく鳴る心臓と、下腹部からも伝う熱。頭がおかしくなってしまいそうだ、とスノウは感じる。セラ、と何度か彼女の名を呼んでみた。クリスタルは黙ったまま静かに光っているだけ。これを穢したくはない。クリスタルであるセラの唇に吸い付きたいとすら思ったが、それは思いとどまる。
 彼女すら穢すことをしなければいい。もう頭の中は訳が分からない。服を着ていないセラ、ライトニング。クリスタルになったセラ。セラと初めてキスをした時のこと。心臓の音が馬鹿みたいに五月蝿いこと。ライトニングが入っていた湖の波紋。プロポーズを受けた時のセラ。好き、って言うセラ。立ち上がったライトニングの乳首、揺れていた陰毛。セラと観た花火、クリスタルの光。
 スノウに都合のいい思い出たちがフラッシュバックする。頭の中はチカチカと目障りな光に満たされている。
 鎮めるには欲を抑えるしか、きっとないのだろうと感じたのだろう。意思ではなく意識でズボンのチャックを下ろす。途端に居場所も狭かった欲棒はびくびくと震えてビルジ湖の冷えた空間に顔を出す。その程度では治まるはずもなくて、反射的にゴシゴシと擦った。我慢に我慢を重ねていたそれはすぐさま欲の濁りを吐き出した。それはセラには掛からない。セラを穢してはならないからだ。だが、セラをきっと、思いで穢してしまったろう。白く濁った欲望の溜りはクリスタルを伝ってだらりと、
「……ご、めん…。セラ…」
 スノウは、押し出すような声を洩らした。スノウの周りだけが熱に浮かされているように、熱い。


麗しの未熟

title of : goz



110526


FF]Vの初小説
………すいません(笑)このネタ多分プレイしながら思いつきました
これを思いついたのはライトがスノウに「夢を見せたのはお前だ」って言ってスノウに寄り掛かったとこで、だったと思うけど。
なんかスノウとライトさん、いい感じだなぁって(笑)まぁ実際は家族としてなんだろうけど。
(絶対13-2でセラとスノウ結婚してるだろうし)

ちなみにクリアには約一カ月かかってますので2010年初頭の話の思いつきだとは思うんですけど


こじつけでビルジ湖で水浴び時に覗いてヤッちゃった…みたいなネタを考えてました。うんこですいません
実際はみこすり半劇場になってしまいましたが(笑)
でも初期は一緒にいることが少ないんですよね。それ以降はエストハイム邸で、ほぼ間違いないと思います。

まぁ例のスノウ半裸なとこね(笑)ゲイ板でも話題になってましたね。でもスノウはゲイというよりかはBLでしょうな。
ホモカプならスノウは ホープ×スノウかな……(弱小/逆ならあるやろ)
ガドー?や。ノラ内のカポーはスノウ×レブロ姉さんしかないと信じてる。
ついでに、サッズはカプネタにならないって思ってる。なりえるなら………や、むりっす先輩。確かにヴァニラとはちょっといい感じだったけど、ロリコンではないので(言い切りっ)。


まぁ最初スノウのイメージはロリコン野郎だしね!
でも調べたらセラってばにこしたの19!アァ?!
まずスノウがライトと同い年の21って設定むりあるむりある。28歳はいってると思ってたよ……
ロリコンって印象はぬぐえないけど(笑)ヴァニラにも欲情するんだろうなスノウ、とか
つーかヴァニラとセラがタメで19ですから!意味分からんくらい男が老けてるだろう!

でもスノウが生粋のロリコンでなければ、ライトもファングも皆食える!(爆
そう思うのは、………犯罪ですか?(そうですよね…

2011/05/26 09:12:41