「ん…くら…」

「謙也、眠い…?」


そう問えばコクンと頷く謙也。
目はトロンとしていて瞼は今に
もくっつきそうだ。その顔はと
ても子供っぽく可愛い。少し俺
の理性が危ないが、なんとか我
慢しながら謙也の頭を撫でる。
寝てもええよ、と言うが今度は
ううん、と首を横に振って寝よ
うとしない。


「?眠いんやろ?」

「おん…」


同じ質問をしたが、やはり眠い
らしい。頭にはてなを浮かべて
いると、謙也が眠そうにけれど
どこか恥ずかしそうに言った。


「…久しぶり、の二人きりやか
ら寝たないねん…」

「…っ」


なんでこうも可愛いのだろう。
最近受験やらテストやらで忙し
く、二人きりになることがなか
った。そして今日、やっと二人
きりになれたのだ。
謙也の一言で胸がキュンと疼く
。抱きしめたい衝動が抑え切れ
ず、がばっと抱きしめた。


「…わっ、くら…?」

「そんな事思っとってくれたな
んて嬉しいわ。」

「ふふ、当たり前やろ。」

「せやな、やけどやっぱ寝よか。」

「なんで?」

「謙也眠そうやし、健康に悪い
しな。」


そう言うと謙也は頬を膨らまし
えー、と言うような目で見てき
た。…うん、可愛ええ。


「ずっと抱きしめたるから、」

「…おん。」


すると謙也は嬉しそうに微笑み
ながら目を閉じた。俺は謙也の
頭を一撫しギュッと抱きしめ、
少しピンクにそまった頬にキス
をしてから眠りについた。

10.11.22〜12.22


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