今日は日曜日。本当は練習があった四天宝寺中テニス部だが、顧問のオサムちゃんが「競馬で負けてもうて気ぃ乗らへんから今日の部活なし」と一言残してどこかへ行ってしまったので、素直に従い、休みにした。俺、白石蔵ノ介は何をしているかというと…、


「白石、飲み物持ってきたで。」

「おおきに、気を使わせてすまん。」

「ええよええよ。白石はお客さんなんやし。」


謙也の家に遊びに来ている。
久しぶりに恋人同士二人でゆっくり過ごそうと珍しく謙也から誘われた。ニヤニヤする顔をなんとか抑え、平然とええよ、と答えた。


「謙也、こっち。」


そういって自分の足の間を叩く。最初は恥ずかしがっていた謙也だが顔をピンク色に染め、こちらへ歩いてくる。そして俺の足の間に…


ピンポーン…


………、誰やねん。


「ちょっと行ってくる。」


ちっ。俺と謙也のイチャラブタイムを邪魔しおって…、せっかく謙也がこっちへ来て座ると思ったんに!
っちゅーか謙也遅すぎひん…?階段を上がってくる音もしぃひんし。

心配になった俺は1階へ降り謙也がいるはずの玄関へ向かった。


「謙也ー?何して…って侑士クン!?」

「白石すまん。侑士来とったから…」

「久しぶりやなぁ、白石。」

「せやな。けど何でおるん?」

「氷帝は今日明日休みやからこっち来たんやて。」

「へぇ、そうなんか。」


謙也とラブラブしたい俺には不都合でイライラするが一応笑顔を向けとく。頭の中では一発殴っているが。
侑士クンも多分気付いているはず。俺と侑士クンはニコニコと笑いあったまま。目は笑っていない。
玄関に突っ立ったままの俺達に謙也は中入り、と促す。可愛え笑顔つきで。


「「かわええ…」」


声が重なりバッと睨み合う。バチバチと火花が二人の間で散る。
謙也に声を掛けられるまで睨み合っていた。



「謙也あの時大泣きしとったやん。」

「なっ!あれはちゃうねん!」

「何がちゃうん?ゆーしいぃい!て泣いとったくせに。」

「ニヤニヤすんな!!」


今日は謙也と俺で過ごすっちゅーことやったんよな…?
けど誘った本人は話に夢中。まあ久しぶりなわけやし。やけど侑士クンはわざとやな。自慢にしか聞こえへんわ。話に入ろうと思えば入れそうだが、幼少期の謙也の話や、俺の知らない二人だけが知っている話ばかり。
相槌はうっているが正直イラつく。そりゃ従兄弟だし知っていて当たり前だが、彼氏としては悔しい。誰だって好きなやつのことは知っておきたい。恋人なら尚更だ。けれど俺の知らない謙也を知っている。それだけが俺の心を煽る。イライラや悔しさや悲しみやらが混ざりごちゃごちゃする。

このままじゃ二人に当たってまう。

俺一人の嫉妬で困らせたくない。そう思った俺は二人にお手洗い、と言って席を立った。
洗面台に着き、鏡を見る。そして自分を落ち着かせる。
侑士クンが居ってもせっかく謙也と居るんや。
部屋に戻ろうと階段へ向かうと丁度謙也が降りてきた。


「どうしたん?」

「…白石、怒っとる?」

「…怒ってへんよ。」

「嘘。じゃあなんで部屋出るとき辛そうな顔したんや。」

「……!」


そんなところまで見ていたなんて。
やっぱ謙也にわかなわんなぁ。
俺は二人で話をしていて嫉妬した、とか知らないことが多くて悔しい、とか全てを話した。


「…ふふっ」

「…謙也、笑うなや。」

「やって、嫉妬してくれたんが嬉しいし、それに…」


そう言うと謙也は一旦俯いた。
その顔は心なしか赤く染まっている。かわええなあ…。


「それに?」

「それに、白石しか知らんこともあるやろ!あと知らないことはこれから知ってけばええやろ!」


あぁ、なんて可愛いことを言ってくれるのだろうか。さっきまで沈んでいた心が今では弾んでいる。

「せやな、俺しか知らんこともあるやんな。」

「せや!」

「…セックスしとる時の謙也、とか」


そう言えば真っ赤になる謙也。
こんな顔も俺しか知らんな…。


「白石のあほ!変態!」


そう言ってバタバタと部屋へ駆けてく。俺はそれを微笑みながら追う。
今侑士クンになんで真っ赤なんやて質問責めにあってるんやろうな。
楽に謙也を想像でき、笑いが零れる。



これからの俺が知らなかった、新しい謙也にワクワクした。



end
ユウナさああぁぁあぁあん!!
遅くなってしまいすみません!!
まったく私は何をしているんでしょうね…話も意味不明に…(ToT)
こんな感じになってしまいましたが、お祝いの気持ちはちゃんと込めました!!伝わるといいです(^O^)

お誕生日おめでとうございます!
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