「宍戸さあぁあん!」
「お、長太郎。どーした?」
俺が朝練のために部室に入ろうとすると、長太郎が名前を呼びながら向こうから走ってきた。
「あのですね、はあはあ、その、」
走ってきたからなのか少し息があがっている。焦らずにゆっくりしゃべろ、と言って肩に手を置こうとしたがその手をがしっと掴まれた。
「な、なんだよ。」
俺が声をかけると、満面の笑みで口をあけた。
「宍戸さん、誕生日おめでとうごさいます!」
「!」
「生まれてきてくれてありがとうございます。俺、宍戸さんに出会えて嬉しいです!」
昨日…いや今日も一番にメールでおめでとうといってくれた。そしてまたおめでとうと俺の大好きな笑顔でいってくれた。嬉しすぎて涙が出そうになる。
「あ、プレゼント…」
「…長太郎。」
「はいっ、」
長太郎の言葉を遮ると、いつもの返事が返ってきた。身長は長太郎の方がたかくて必然的に俺は見上げる形になる。ちょうど銀色の髪の毛が太陽の光できらきらしていて綺麗だ。まるで長太郎の眩しい笑顔のようだ。
「ありがとうな、これからも俺のダブルスのパートナーでいてくれよ。あと、こ、恋人としてもずっとな。それが俺へのプレゼント…でいいか?」
言った後に恥ずかしくなった。でも、これが本当に欲しいプレゼント。
「っはいっ!喜んで!」
そう言った長太郎になんだか愛おしさを感じ、なんだか頬が緩んだ。
すると勢いよく抱き着いてきて倒れそうになったが、もちこたえる。そして真っ赤になりながらも俺は背中に手をまわした。
end
宍戸さんハッピーバースデー!
2010.09.29