SHLが早く終わり、白石と一緒に部室へ行こうとしたが、委員会ということで一人で部室へと来た。ドアを開けたが他のクラスはまだSHLが終わってなかったらしいので誰もいない。そんなことで少しの優越感に浸り、ベンチに横になった。けれど、いつも部室へ来るとユウジがネタをしたり、金ちゃんが騒いでいたり、財前と白石と談笑したりいつものメンバーで笑い賑やかだった。今は閑散としている部室に寂しさを感じた。気を紛らわそうと自分のロッカーへ向かい、先に着替えようとした。ふと何かノートみたいなものが机の下に置いてあった。

誰かが置いてったんやろか。

気になった俺はノートを拾い、見てみる。表紙には何も書かれていなかった。中を見るのは少し良心が痛むがそのまま置いておくのもあれなのでノートを開いた。そしてすぐに見なければよかったと後悔した。



×月×日:白石蔵ノ介
今日から絶頂日記2冊目にはいった。やっぱり朝から謙也はエクスタシーやった。まず朝練の最中に俺を誘うような腹チラ、キラキラした眩しいかわええ笑顔。授業中の天使の寝顔。…鼻血がダラダラと流れては止まらへん。どないしよか。とにかく謙也はエクスタシーや!



なんやこの気持ち悪いとしかいいようがあらへん日記は!
2冊目ってまだ1冊目があんのか!?まず誘うような腹チラってなんやねんっちゅーか部活中なんや視線感じる思たらこれかあぁぁああああ!!!しかも鼻血垂らしながら俺の寝顔見るてありえへんやろ!
クラスの皆ほんまにすまん!
ってなんで俺が謝っとんねん。

心の中で悪態をついていると、まだあるらしい日記の次のページをめくった。



〇月〇日:謙也の彼氏☆
今日は謙也が積極的やった。登校する時は謙也から手を繋いできたり、教室ではべったりやった。俺の膝の上に座り、しかも頬をピンク色に染め「くら…ちゅーしたい…」とエロい顔と声で言われ、誘ってきた。そんだけで俺はエクスタシーを感じた。その後、保健室で謙也にもエクスタシーを感じさせたった。
…っちゅー夢を見た。



ついに頭いかれたか。
そんな夢に俺を出演させんなや!
気になったんやけど“謙也の彼氏”てなんやねん。俺は白石の恋人になった覚えないんやけど!!!


「ちわーっす。」


不愉快な日記を読んでいたら、財前がやってきた。


「何やっとるんスか?」


「財前…見てみぃこれ。」


そう言って日記を渡した。


「は?絶頂日記?部長の?」


「おん、」


誰のものか聞くと財前は日記を読みはじめた。



☆月☆日:謙也の夫☆
今日の謙也のパンツは星柄やった。昨
日は赤と白のチェック、一昨日はイグ アナのキャラクターのかわええやつやった。明日はなんやろか。あかん、想像しとったら興奮してしもうた。そういえば謙也のジャージはええ匂いしかせえへんかった。



「…………。」


「…………。」


「…不愉快なんスけど。っちゅーか部長キモい。」


「俺、毎日パンツ見られとったんか…。…泣きそう。」


「…謙也さん、」


「なん?」


「イグアナのキャラクターってなんスか。」


「…そこは触れんといて。」


「はあ、」


「ちょお俺、白石絞めてくるわ。」


「ッス。」


財前に言って俺は部室を出た。


「…先輩らアホッスか。」


財前はさっさと準備して、コートに入って行った。




(白石ぃいぃぃいいい!!!)
(あ、謙yぎゃあぁぁああああ!!)
(…部長、ご愁傷様。)




end
2010.11.07


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